我が国経済は、リーマンショック後の経済危機を克服し、外需や政策効果等による需要創出、雇用等の下支え効果により持ち直し傾向にあったが、急速な円高の進行、原油高騰及びエコカー減税・エコポイント打ち切り等により先行き不透明感が強まり、依然として厳しい状況にある。
斯様な中、内航海運景況の指標ともいえる粗鋼生産量が昨年度はアジア向け輸出をけん引役とした旺盛な鉄鋼需要を背景に1億トン台に回復し、今年度においても1億トン台を維持する見通しであったが、平成23年3月11日、観測史上最大の東日本大震災の発生と津波により多くの尊い人命が失われたとともに生産工場の壊滅、損壊等により未曾有の大震災による人的並びに経済的損失はあまりにも大きく、今後の日本経済にとってその影響は、極めて甚大である。
特に、福島第一原子力発電所の事故により被災地の東北電力及び東京電力の安定供給に懸念が継続すれば生産設備等供給面への影響から生産活動の減少、及び物流への経済活動にとって多大の影響が生ずることは必定である。
このため当会は、もとより政府の復興施策に対して積極的なる協力態勢を取ると共に支援活動を推進し一日も早い復興を願うものである。
この中にあって内航海運の輸送量は、暫定措置事業の導入時である平成10年度の5億1,700万トンから20年度では3億7,900万トンと27%も減少し、尚且つ物流全体の輸送分担率において過去最低の約34%まで低下している。 又、少子高齢化等による労働人口の減少など社会構造の変化や、円高によりメーカーの海外シフトによる産業の空洞化傾向が今後さらに加速することが必至の状況から、将来的には更なる低落傾向が続くことが想定される処であり、震災の影響と共に大幅な船腹過剰に立ち至り、これの対策が喫緊の課題となっている。
更には、昨年度に閣議決定された行政刷新会議による暫定措置事業の早期解消の方針を受けて、前年度において国土交通省に設置された内航海運代替建造対策検討会の場で内航業界の立場を強く主張して来たが、年度末に検討会の答申が打ち出され、今後は、国交省と総連合会との協議に入り、本年8月頃に答申内容に沿った具体的なアクションプログラムが策定される予定である。 このため内航業界として、特に平成25年度以降の暫定措置事業の対応に向けた精力的な意見集約が求められている。
更に又、昨年度の行政刷新会議において内航海運事業のカボタージュ規制の見直しを受け、これまで強固なる堅持に向けた運動を展開している処であるが、本年度においても内航海運の広報と併せ尚一層の活動が肝要となっている。
以上の如く重要問題山積する中、当連合会は、下記事項について総連合会と連携し、総力を挙げて達成を期し、組合員の経営安定に資することとする。
記
1.東日本大震災の復興に向けた支援活動推進
2.内航海運暫定措置事業の堅持と今後の検討
3.カボタージュ制度堅持の活動推進
4.運賃並びに用船料の修復と適正化推進
5.若年船員の育成と雇用促進
6.組合財政の確立と組織強化
7.組合員等への情報伝達の推進
8.その他、業界発展に向けた諸施策の実施
以上 |