No.140 前年同月比で粗鋼12.8%減、燃料油5.5%減 経産省、主要工業製品の2009年9月の生産速報発表
No.141生産は持ち直しの動きで推移 経産省、2009年10月の鉱工業生産速報発表
No.142燃料油生産17ヵ月連続の前年同月比割れ エネ庁、2009年10月の石油統計速報発表
No.143四輪車生産 前年同月比19.1%減で13ヵ月連続減 自工会、2009年10月の自動車生産実績発表
No.144前年同月比22.6%減の15ヵ月連続減も前月比0.3%の微減 鉄連、2009年10月の普通鋼鋼材需給速報発表

平成21年11月30日(月)Vol.140

前年同月比で粗鋼12.8%減、燃料油5.5%減

経産省、主要工業製品の2009年9月の生産速報発表

 
経済産業省は11月30日、主要工業製品の2009年10月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が880万トンで前月比6.4%の増となったものの、前年同月比では依然12.8%の減を示している。前年同月比減はこれで13ヵ月連続となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1,578.9万klと前月比では1.1%増だが、前年同月比5.5%の減となった。

10月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が377.4万トンで前月比6.8%増だが、前年同月比4.9%減。鋼板が94.3万トンで前月比3.7%増だが、前年同月比23.9%の大幅減。棒鋼が810万トンで前月比1.3%減、前年同月比12.1%減。形鋼が44.2万トンで前月比4.5%減、前年同月比25.4%の大幅減。線材が17.3万トンで前月比19.2%増だが、前年同月比47.3%の大幅減となった。

また、普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は184.7万トンで前月比5.2%増だが、前年同月比10.3%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は144.6万トンで前月比9.5%増だが、前年同月比23.5%の大幅減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は103.3万トンで前月比0.3%微増だが、前年同月比21.2%減と、いずれも前年同月比で減少を示した。しかし、総体的に2ヵ月連続で前年同月比の減少幅が縮小されており、需要の回復基調がうかがえる。

10月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて319.6万klで前月比3.9%増だが、前年同月比15.8%の減。ガソリンが477.3万klで前月比04%減だが、前年同月比0.2%の微増。軽油が353.5万klで前月比2.8%増、前年同月比1.6%増。需要期に入った灯油が136.9万klで前月比24.8%増、前年同月比6.2%増。ナフサが168.9万klで前月比2.8%増、前年同月比1.6%増。ジェット燃料油が122.7万klで前月比8.7%減、前年同月比8.2%減となった。

また、10月のコークスは306.7万トンで前月比6.7%増だが、前年同月比6.1減。液化ガスは32.8万トンで前月比19.1%減だが、前年同月比1.7%増となった。

鉄鋼生産速報 2009年10月 Excel

資源エネルギー生産速報 2009年10月 Excel

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平成21年11月30日(月)Vol.141

生産は持ち直しの動きで推移

経産省、2009年10月の鉱工業生産速報発表

 
経済産業省は11月30日、2009年10月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

10月は、生産、出荷が上昇、在庫は低下、在庫率は横ばいであった。

製造工業生産予測調査によると、11月、12月とも上昇を予測している。

総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。

平成17年=100

注:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 86.1 0.5 89.9 ▲15.1
出荷 88.8 1.3 90.2 ▲13.0
在庫 93.3 ▲1.5 94.3 ▲14.4
在庫率 116.9 0.0 114.9 3.0

1. 10月の生産・出荷・在庫動向

生産

10月の生産は、前月比0.5%の上昇と8か月連続の上昇(前年同月比は▲15.1%の低下)となり、指数水準は86.1(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、金属製品工業、情報通信機械工業等であった。品目別にみると、モス型半導体集積回路(メモリ)、半導体製造装置、蒸気タービン部品の順に上昇に寄与している。

出荷

10月の出荷は、前月比1.3%の上昇と8か月連続の上昇(前年同月比は▲13.0%の低下)となり、指数水準は88.8(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業等であった。

在庫

10月の在庫は、前月比▲1.5%の低下と2か月連続の低下(前年同月比は▲14.4%の低下)となり、指数水準は93.3(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、一般機械工業、鉄鋼業、輸送機械工業等であった。 10月の在庫率は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は3.0%の上昇)となり、指数水準は116.9(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、11月は前月比3.3%の上昇、12月は同1.0%の上昇であった。11月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、その他等により、12月の上昇は、電気機械工業、鉄鋼業、一般機械工業等による。10月の実現率は▲1.3%、11月の予測修正率は0.1%となった。

製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
  平成21年10月 平成21年11月 平成21年12月
平成21年10月調査 3.1 1.9
平成21年11月調査 3.3 1.0

3. まとめ

10月の生産は、前月比0.5%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、11月、12月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2009年10月 PDF

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平成21年11月30日(月)Vol.142

燃料油生産17ヵ月連続の前年同月比割れ

エネ庁、2009年10月の石油統計速報発表

 
資源エネルギー庁は11月30日、2009年10月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

10月の原油輸入量は1,776万kl、前年同月比93.9%と13ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、

(1)サウジアラビア(468万kl、前年同月比77.4%)、

(2)アラブ首長国連邦(440万kl、同104.1%)、

(3)カタール(219万kl、同136.7%)、

(4)イラン(204万kl、同78.5%)、

(5)クウェート(124万kl、同80.8%)、となっている。

なお、今月の中東依存度は89.8%、前年同月に比べ2.6ポイント増と3ヵ月連続して前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,579万kl、前年同月比94.5%と17ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ及び灯油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は260万kl、前年同月比99.7%と2ヵ月連続して前年を下回った。 輸出は246万kl、同88.3%と前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,617万kl、前年同月比101.8%と前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1,249万kl、前年同月比83.7%と5ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を下回った。

石油統計速報 2009年10月 Excel

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平成21年11月30日(月)Vol.143

四輪車生産 前年同月比19.1%減で13ヵ月連続減

自工会、2009年10月の自動車生産実績発表

 
日本自動車工業会は11月30日、2009年10月の自動車生産実績を発表した。概要は次の通り。

四輪車

10月の四輪車生産台数は820,910台で、前年同月の1,014,403台に比べ193,493台・19.1%の減少となり、13ヵ月連続で前年同月を下回った。 乗用車の生産は714,365台で前年同月比17.3%の減少となり、13ヵ月連続のマイナス、トラックは97,697台で同29.7%の減少となり、13ヵ月連続のマイナス、バスは8,848台で同24.3%の減少となり、10ヵ月連続のマイナスとなった。

10月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

乗用車

714,365台で149,306台・17.3%の減少。このうち普通車は386,549台で107,885台・21.8%の減少、小型四輪車は221,079台で22,402台・9.2%の減少、軽四輪車は106,737台で19,019台・15.1%の減少。

トラック

97,697台で41,340台・29.7%の減少。このうち普通車は41,576台で25,343台・37.9%の減少、小型四輪車は20,056台で7,895台・28.2%の減少、軽四輪車は36,065台で8,102台・18.3%の減少。

バス

8,848台で2,847台・24.3%の減少。このうち大型は867台で157台・22.1%の増加、小型は7,981台で3,004台・27.3%の減少。

10月の国内需要は396,048台で前年同月比4.4%の増加であった。 (うち乗用車339,567台で前年同月比7.8%の増加、トラック55,611台で同12.3%の減少、バスは870台で同20.1%の減少。)

輸出は前年同月比65.4%。(実績)

また、1~10月の生産累計は6,286,772台で、前年同期の9,994,486台に比べ3,707,714台・37.1%の減少であった。 このうち乗用車は5,423,583台で3,139,407台・前年同期比36.7%の減少、トラックは793,254台で519,952台・同39.6%の減少、バスは69,935台で48,355台・同40.9%の減少であった。

二輪車

10月の二輪車生産台数は51,018台で、前年同月の120,123台に比べ69,105台・57.5%の減少となり、26ヵ月連続で前年同月を下回った。

10月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

原付第一種

6,608台で 8,277台・ 55.6%の減少。

原付第二種

6,525台で 4,804台・ 42.4%の減少。

軽二輪車

12,198台で 8,579台・ 41.3%の減少。

小型二輪車

25,687台で 47,445台・ 64.9%の減少。

10月の国内需要(出荷)は25,658台で、前年同月比27.7%の減少となった。(うち原付第一種16,101台で前年同月比34.0%の減少、原付第二種6,198台で同27.3%の増加、軽二輪車2,415台で同37.9%の減少、小型二輪車944台で同59.6%の減少。)

輸出は前年同月比45.4%。(実績)

また、1~10月の生産累計は544,405台で、前年同期の1,003,099台に比べ458,694台・45.7%の減少であった。 このうち原付第一種は98,867台で35,257台・前年同期比26.3%の減少、原付第二種は44,572台で69,622台・同61.0%の減少、軽二輪車は106,128台で53,537台・同33.5%の減少、小型二輪車は294,838台で300,278台・同50.5%の減少であった。

四輪車生産実績速報2009年10月分 PDF

二輪車生産実績速報2009年10月分 PDF

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平成21年11月30日(月)Vol.144

前年同月比22.6%減の15ヵ月連続減も前月比0.3%の微減

鉄連、2009年10月の普通鋼鋼材需給速報発表

 
日本鉄鋼連盟は11月30日、2009年10月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。

概要は次の通り

10月の普通鋼鋼材出荷は、国内向けは380.2万トンで、前年同月比では111.0万トン・22.6%減と15ヵ月連続で減少し、前月比でも1.2万トン・0.3%の微減となった。一方、輸出向けは219.9万トンで、前年同月比で32.4万トン・17.3%増と3ヵ月連続の増加、前月比では17.7万トン・7.5%減と6ヵ月振りの減少となった。この結果、出荷合計では、前年同月(678.6万トン)比78.6万トン・11.6%減の600.1万トンと13ヵ月連続の減少となり、前月比でも6ヵ月振りの減少となった。

10月の生産は、前年同月(694.0万トン)比87.4万トン・12.6%減の606.6万トンと13ヵ月連続の減少となったものの、08年10月以来12ヵ月振りに600万トン台乗せとなった。また、前月比では13.4万トン・2.3%増と6ヵ月連続で増加した。

10月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(557.8万トン)比6.5万トン・1.2%増の564.3万トンで、2ヵ月振りの増加となった。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(436.8万トン)比5.6万トン・1.3%増の442.4万トンと2ヵ月振りに増加し、問屋在庫も前月末(121.0万トン)比0.9万トン・0.8%増の121.9万トンと微増ながら2ヵ月振りの増加となった。

国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(462.2万トン)比3.0万トン・0.6%増の465.2万トンと2ヵ月振りに増加した。輸出船待在庫も前月末(95.5万トン)比3.5万トン・3.7%増の99.1万トンと、2ヵ月振りの増加となった。

在庫増減についてみると、前月比1万トン以上増加した品種は、H形鋼(2.7万トン増の25.3万トン)、鋼帯(幅600mm未満)(1.6万トン増の5.5万トン)、冷延電気鋼帯(1.5万トン増の9.0万トン)、鋼矢板(1.4万トン増の5.1万トン)、冷延広幅帯鋼(1.3万トン増の54.0万トン)、小形棒鋼(1.0万トン増の57.9万トン)の各品種であった。一方、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、亜鉛めっき鋼板(2.3万トン減の86.8万トン)のみであった。

10月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の90.1%から3.9ポイント上昇の94.0%となり、2ヵ月連続で100%を下回った。うち、国内在庫率は前月末の121.2%から1.2ポイント上昇し122.4%であった。

普通鋼鋼材需給速報 2009年10月 Excel

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