No.147:粗鋼生産886万トン、14ヵ月振りの前年同月比増 熱間圧延鋼材は 前月比、前年同月比とも減少 鉄連が2009年11月の鉄鋼生産速報発表
No.148:4樹脂国内出荷、揃って対前年同月二桁の伸び 石化協、2009年11月実績概要発表

平成21年12月20日(日)Vol.147

粗鋼生産886万トン、14ヵ月振りの前年同月比増

熱間圧延鋼材は 前月比、前年同月比とも減少

鉄連が2009年11月の鉄鋼生産速報発表

 
日本鉄鋼連盟は12月18日、2009年11月の鉄鋼生産速報を発表した。それによると、粗鋼生産量は885.8万トンで前月比5.7万トン、0.7%増加、前年同月比0.5%増加となり、前年同月比で14ヵ月振りの増加となり、4ヵ月連続で800万トン台乗せとなったが、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は767.7万トンと前月比6.4万トン、0.8%減(前年同月比1.2%減)と、前年同月比では14ヵ月連続の減少となった。

概況は次の通り。

◎ 2009年11月の鉄鋼生産動向をみると、銑鉄、粗鋼は前月比、前年同月比とも増加した。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)は 前月比、前年同月比とも減少した。

○ 銑鉄生産は666.0万トンと前月に比べ4.6万トン、0.7%増加、前年同月比1.8%増加となり、前年同月比では14ヵ月振りの増加となった。

1~11月では6,009.8万トンと前年同期比24.9%減となった。なお、11月末の高炉稼働基数は前月同様34基中26基であった。

○ 粗鋼生産は885.8万トンと、前月比5.7万トン、0.7%増加、前年同月比0.5%増加となり、前年同月比で14ヵ月振りの増加となり、4ヵ月連続で800万トン台乗せとなった。また、1~11月では7,858.4万トンと前年同期比29.4%減となった。

11月の炉別生産をみると、転炉鋼が704.4万トンと前月比0.9%増(前年同月比5.6%増)、電炉鋼が181.4万トンと同0.4%減(同15.4%減)となり、前年同月比でみると転炉鋼が14ヵ月振りの増加、電炉鋼は15ヵ月連続の減少となった。

11月の鋼種別生産では、普通鋼が700.9万トンと前月比0.8%減(前年同月比2.2%増)、特殊鋼が184.9万トンと同6.4%増(同5.5%減)となり、前年同月比では普通鋼が14ヵ月振りの増加、特殊鋼は13ヵ月連続の減少となった。

○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は767.7万トンと前月比6.4万トン、0.8%減(前年同月比1.2%減)と、前年同月比では14ヵ月連続の減少となった。また、1~11月では6,888.3万トンと前年同期比31.0%減となった。

○ 普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は614.9万トンと前月比14.5万トン、2.3%減(前年同月比横ばい)となった。1~11月では5,720.4万トンと前年同期比27.9%減となった。

11月の品種別では、条鋼類は143.9万トン、前月比6.2%減(前年同月比7.6%減)で、前年同月比では17ヵ月連続の減少となった。一方、鋼板類は465.8万トン、同1.2%減(同3.2%増)となり、前年同月比では14ヵ月振りの増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が365.4万トン(前月比1.7%減、前年同月比11.2%増)と、前年同月比で14ヵ月振りの増加となった。厚板は95.4万トン(同2.2%増、同17.5%減)と、前年同月比で10ヵ月連続の減少となった。一方、条鋼類では小形棒鋼が69.4万トン(同6.9%減、同2.5%減)が前年同月比で27ヵ月連続の減少となった。H形鋼は25.4万トン(同7.1%減、同14.4%減)と同15ヵ月連続の減少、大形形鋼は8.5万トン(同2.6%増、同22.3%減)と同14ヵ月連続の減少、中小形形鋼は7.4万トン(同14.4%減、同20.2%減)と同14ヵ月連続の減少となった。

○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は152.7万トンと、前月に比べ8.1万トン、5.6%増(前年同月比6.0%減)となり、前年同月比では13ヵ月連続の減少となった。また1~11月では1,167.9万トンと前年同期比43.0%減となった。

全国鉄鋼生産高(速報) 2009年11月 Excel

全国鋼材生産高(速報) 2009年11月 Excel

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平成21年12月20日(日)Vol.148

4樹脂国内出荷、揃って対前年同月二桁の伸び

石化協、2009年11月実績概要発表

 
石油化学工業協会は12月17日、2009年11月の石油化学主要製品生産・出荷・在庫実績概況を次のように発表した。

1. 生産動向

イ)エチレン 

634,700トン

前月比 +0.9% (+ 5,500トン)

前年同月比  +18.1% (+97,100トン)

生産増減に係る諸要因

(前月比) (前年同月比)
日数増減 ▲ 3.2 %
定修要因等 + 2.3 % + 1.2 %
能力増減 ▲ 0.6 %
稼働率変動 + 1.8 % +17.5 %
 
生産増減率 + 0.9 % +18.1 %

・稼働プラントの稼働率試算:前月93.4%→当月 95.0%(前年同月80.9%)

・定修プラント:前月 なし→ 当月 なし( 前年同月なし)

・ 参考 本年1~11月の累計生産量6,249.3千トン(前年同期比▲1.9%)

ロ)その他の品目

前月比では、稼働日数の減少を主としてLD、HD、PS、EO、EG、AN、SBRなど8品目がマイナス。定修規模差等からPP、SM、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、BR、ベンゼン、キシレンなど9品目はプラスとなった。

前年比では前年に景気後退に伴う急速な減産が行われたため、LD、HD、PP、SM、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、EO、EG、BR、ベンゼン、キシレンなど14品目がプラス、PS、アセトアルデヒド、SBRの3 品目のみがマイナスとなった。

2.樹脂の生産・出荷状況(LD、HD、PP、PS)

イ)生 産

・前月比では、稼働日数の減少と定修規模差、稼働要因が相合わさりLD、PSは微減、HDはマイナスとなった。PPは主に稼働要因からプラスとなった。前年比では主に稼働要因からLD、HD、PPはプラス、PSは能力減、稼働要因からマイナスとなった。

ロ)国内出荷

・前月比は営業日数の減少と前月の出荷が好調であったことからLD、HD、PPでマイナスとなった。

前年比では、前年に景気後退によるユーザー産業における減産、在庫整理により著しく出荷が低迷したこともありLD、HD、PP、PSの4樹脂で前年を大きく上回る出荷となった。

ハ)輸 出

・輸出環境は好調が継続しており前月比で4樹脂ともプラス。前年比では昨年の世界同時不況に伴う主要輸出先での需要減少から輸出が低水準であったため4樹脂で大幅なプラスとなった。

ニ)在 庫

・在庫量はLD、HD、PPで増加、PSは減少した。在庫率(季節調整済)は、LD、HD、PPで上昇 、PSは低下した。在庫水準としては、LD、PPは稍高め、HD、PSは略適正水準となっている。

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