No.203:生産は持ち直しの動きで推移 経産省、2010年6月鉱工業生産・出荷・在庫指数速報発表
No.204:前年比で粗鋼8ヵ月連続増、燃料油6.1%減 経産省、主要工業製品の2010年6月の生産速報発表
No.205:四輪車、8ヵ月連続前年同月比増 上半期は前年同月比21.5%増 自工会、2010年6月の自動車生産実績速報発表
No.206:軽除く乗用新車販売前年比15%増で12ヵ月連続増 軽自動車販売前年比8.6%増、前月比1.3%減 自販連、軽自連が2010年7月の国内自動車販売台数速報発表

平成22年8月3日(火)Vol.203

生産は持ち直しの動きで推移

経産省、2010年6月鉱工業生産・出荷・在庫指数速報発表

 
経済産業省は7月30日、2010年6月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報を発表した。概要は次の通り。

◇6月は、生産、出荷が低下、在庫は上昇、在庫率は低下であった。

◇製造工業生産予測調査によると、7月低下の後、8月は上昇を予測している。

◇総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 94.7 ▲1.5 98.5 17.0
出荷 96.2 ▲0.2 99.6 17.6
在庫 97.2 0.7 96.3 1.2
在庫率 107.0 ▲1.4 105.1 ▲16.7

1. 6月の生産・出荷・在庫動向

(1)生産

6月の生産は、前月比▲1.5%の低下と4ヵ月振りの低下(前年同月比は17.0%の上昇)となり、指数水準は94.7(季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)等であった。品目別にみると、普通乗用車、携帯電話、太陽電池モジュールの順に低下に寄与している。

(2)出荷

6月の出荷は、前月比▲0.2%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比は17.6%の上昇)となり、指数水準は96.2(季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)等であった。

(3)在庫

6月の在庫は、前月比0.7%の上昇と3か月連続の上昇(前年同月比は1.2%の上昇)となり、指数水準は97.2(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、化学工業、電気機械工業等であった。

6月の在庫率は、前月比▲1.4%の低下と3ヵ月振りの低下(前年同月比は▲16.7%の低下)となり、指数水準は107.0(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、7月は前月比▲0.2%の低下、8月は同2.0%の上昇であった。7月の低下は、輸送機械工業、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業等により、8月の上昇は、電気機械工業、輸送機械工業、情報通信機械工業等による。6月の実現率は▲2.0%、7月の予測修正率は▲3.2%となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成22年6月 平成22年7月 平成22年8月
平成22年6月調査 0.4 1.0
平成22年7月調査 ▲0.2 2.0

3. まとめ

6月の生産は、前月比▲1.5%の低下となった。また、製造工業生産予測調査によると、7月低下の後、8月は上昇を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる。

鉱工業生産・出荷・在庫指数速報 2010年6月 PDF

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平成22年8月3日(火)Vol.204

前年比で粗鋼8ヵ月連続増、燃料油6.1%減

経産省、主要工業製品の2010年6月の生産速報発表

 
経済産業省は7月30日、主要工業製品の2010年6月の生産速報を発表した。? 以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が935.6万トンと前月比で3.8%減となったが、前年同月比で35.9%の大幅増を示した。前年同月比増はこれで8ヵ月連続となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 377.5万klと前月比で8.1%減、前年同月比では6.1%減となった。

6月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が407.8万トンで前月比0.9%の微増ながら、前年同月比で45.9%の大幅増。鋼板が101.8万トンで前月比5.0%減だが、前年同月比11.2%の増。棒鋼が81.6万トンで前月比3.6%減だが、前年同月比1.5%の微増。形鋼が48.2万トンで前月比5.5%減だが、前年同月比7.6%増。線材が16.8万トンで前月比6.4%増、前年同月比4.4%増となった。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は194.8万トンで前月比0.9%の微増だが、前年同月比39.4%の大幅増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は176.5万トンで前月比2.9%増、前年同月比73.4%の大幅増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は116.3万トンで前月比4.4%増、前年同月比50.2%の大幅増を示した。

このように6月の鉄鋼製品生産量は、前月比で伸び率を減少または鈍化させながらも、前年同月比では大幅な増加傾向を示している。

また、6月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて288.2万klで前月比7.7%減、前年同月比9.6%減。ガソリンが437.1万klで前月比7.4%減、前年同月比1.1%の微減。軽油が314.3万klで前月比2.7%減、前年同月比11.1%減。不需要期の灯油が80.5万klで前月比30.4%の大幅減、前年同月比14.1%減。ナフサが137.4万klで前月比12.8%減だが、前年同月比1.4%の微増。ジェット燃料油が120万klで前月比1.4%の微増だが、前年同月比2.8%減となった。

また、6月のコークスは310.7万トンで前月比4.3%減だが、前年同月比28.2%増。液化ガスは31.6万トンで前月比21.7%減、前年同月比16.1%減となった。

2010年6月鉄鋼生産速報 Excel

2010年6月資源エネルギー生産速報 Excel

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平成22年8月3日(火)Vol.205

四輪車、8ヵ月連続前年同月比増

上半期は前年同月比21.5%増

自工会、2010年6月の自動車生産実績速報発表

 
日本自動車工業会は7月30日、2010年6月の自動車生産実績速報を発表した。概要は次の通り。

【四輪車】

6月の四輪車生産台数は861 045台で、前年同月の683 922台に比べ177 123台、25.9%の増加となり、8ヵ月連続で前年同月を上回った。

乗用車の生産は739 953台で前年同月比23.7%の増加となり、8ヵ月連続のプラス、トラックは111 151台で同39.9%の増加となり、7ヵ月連続のプラス、バスは9 941台で同51.8%の増加となり、5ヵ月連続のプラスとなった。

6月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

1.乗用車

739 953台で142 005台で23.7%の増加。このうち普通車は431 854台で115 682台、36.6%の増加、小型四輪車は193 862台で18 410台、10.5%の増加、軽四輪車は114 237台で7 913台、7.4%の増加。?

2.トラック

111 151台で31 726台、39.9%の増加。このうち普通車は47 902台で20 540台、75.1%の増加、小型四輪車は23 091台で4 278台、22.7%の増加、軽四輪車は40 158台で6 908台、20.8%の増加。?

3.バス

9 941台で3 392台、51.8%の増加。?このうち大型は842台で112台、15.3%の増加、小型は9 099台で3 280台、56.4%の増加。

6月の国内需要は448 831台で、前年同月比17.4%の増加となった。(うち乗用車377 174台で前年同月比18.1%の増加、トラック70 746台で同14.0%の増加、バス911台で同11.9%の増加)

また、2010年上半期(1~6月)の生産累計は4 841 950台で、前年同期の3 321 428台に比べ1 520 522台、45.8%の増加となり、上半期としては2年振りのプラスとなった。

このうち乗用車は4 188 331台で1 338 085台、前年同期比46.9%の増加、トラックは598 579台で164 351台、同37.8%の増加、バスは55 040台で18 086台、同48.9%の増加であった。

上半期(1~6月)の国内需要は2 656 828台で、前年同期比21.5%の増加となった。(うち乗用車2 271 932台で前年同期比23.2%の増加、トラック377 311台で同12.5%の増加、バス7 585台で同5.1%の増加)

2010年6月分四輪車生産実績速報 PDF

2010年1月~6月分四輪車生産実績速報 PDF

【二輪車】

6月の二輪車生産台数は52 770台で、前年同月の49 403台に比べ3 367台、6.8%の増加となり、4ヵ月連続で前年同月を上回った。

6月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

1. 原付第一種

7 689台で 5 463台、41.5%の減少。

2. 原付第二種

9 689台で 4 502台、86.8%の増加。

3. 軽二輪車

11 891台で 3 648台、44.3%の増加。

4. 小型二輪車

23 501台で 680台、 3.0%の増加。

6月の国内需要(出荷)は31 458台で、前年同月比1.2%の減少となった。(うち原付第一種20 075台で前年同月比9.4%の減少、原付第二種6 486台で同90.7%の増加、軽二輪車2 285台で同36.6%の減少、小型二輪車2 612台で同2.4%の減少)

また、2010年上半期(1~6月)の生産累計は336 461台で、前年同期の360 981台に比べ24 520台、6.8%の減少となり、上半期としては4年連続のマイナスとなった。

このうち原付第一種は40 687台で25 738台、前年同期比38.7%の減少、原付第二種は35 776台で14 291台、同66.5%の増加、軽二輪車は49 159台で5 237台、同9.6%の減少、小型二輪車は210 839台で7 836台、同3.6%の減少であった。

上半期(1~6月)の国内需要(出荷)は194 147台で、前年同期比5.6%の減少となった。(うち原付第一種121 457台で前年同期比14.6%の減少、原付第二種45 524台で同50.5%の増加、軽二輪車13 214台で同32.4%の減少、小型二輪車13 952台で同1.8%の増加)

2010年6月分二輪車生産実績速報 PDF

2010年1月~6月分二輪車生産実績速報 PDF

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平成22年8月3日(火)Vol.206

軽除く乗用新車販売前年比15%増で12ヵ月連続増

軽自動車販売前年比8.6%増、前月比1.3%減

自販連、軽自連が2010年7月の国内自動車販売台数速報発表

 
日本自動車販売協会連合会は8月2日、2010年7月の軽自動車除く国内新車販売台数速報を発表した。それによると、新車販売台数合計は前年同月比15.0%増の33万3 403台で、12ヵ月連続で前年同月を上回り、前月比でも13.6%の増となった。

7月の販売台数を車種別にみると、普通乗用車が14万2 659台で前年同月比20.3%の大幅増、前月比でも9.7%増。小型乗用車が16万4 738台で前年同月比11.1%増、前月比でも21.2%の大幅増となり、乗用車計で30万7 397台と前年同月比15.6%増、前月比でも15.6%増を示した。貨物車は普通・小型を合わせて2万4 920台で前年同月比9.0%増だが、前月比で6.7%減を示した。バスは1 086台で前年同月比20.9%の大幅増、前月比でも19.2%増を示した。

一方、全国軽自動車協会連合会も8月2日、2010年7月の軽四輪自動車販売台数速報を発表したが、新車販売台数合計は15万3 203台で前年同月比8.6%増だが、前月比1.3%の減となった。

2010年7月新車販売台数速報 Excel

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