No.260:生産・出荷4ヵ月、在庫3ヵ月連続上昇 今後は東北地方太平洋沖地震の影響留意 経産省、2011年2月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.261:粗鋼 前月比7.4%減でも前年比16ヵ月連続増 燃料油 前月比6.9%減でも前年比2.1%増 経産省、主要工業製品の2011年2月の生産速報発表

平成23年3月30日(水)Vol.260

生産・出荷4ヵ月、在庫3ヵ月連続上昇 br /

今後は東北地方太平洋沖地震の影響留意

経産省、2011年2月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は3月30日、2011年2月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

・2月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。

・製造工業生産予測調査によると、3月上昇の後、4月は低下を予測している。

・総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、先行きについて東北地方太平洋沖地震の影響に留意する必要がある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 96.4 0.4 90.5 2.8
出荷 98.0 1.7 92.4 3.4
在庫 101.8 1.5 105.1 6.6
在庫率 105.9 ▲2.2 113.7 ▲2.2

1. 2月の生産・出荷・在庫動向

◇生産

2月の生産は、前月比0.4%の上昇と4ヵ月連続の上昇(前年同月比は2.8%の上昇)となり、指数水準は96.4(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除. 医薬品)等であった。品目別にみると、モス型半導体集積回路(メモリ)、普通乗用車、小型乗用車の順に上昇に寄与している。

◇出荷

2月の出荷は、前月比1.7%の上昇と4ヵ月連続の上昇(前年同月比は3.4%の上昇)となり、指数水準は98.0(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除. 医薬品)等であった。

◇在庫

2月の在庫は、前月比1.5%の上昇と3ヵ月連続の上昇(前年同月比は6.6%の上昇)となり、指数水準は101.8(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等であった。2月の在庫率は、前月比▲2.2%の低下(前年同月比は▲2.2%の低下)となり、指数水準は105.9(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、3月は前月比1.4%の上昇、4月は同▲1.3%の低下であった。3月の上昇は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、輸送機械工業等により、4月の低下は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、鉄鋼業等による。

2月の実現率は▲1.1%、3月の予測修正率は▲1.2%となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
注2)「r」は訂正値。
平成23年2月 平成23年3月 平成23年4月
平成23年2月調査 r1.1 r1.6
平成23年3月調査 1.4 ▲1.3

3.まとめ

2月の生産は、前月比0.4%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、3月上昇の後、4月は低下を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、先行きについては、東北地方太平洋沖地震の影響に留意する必要がある。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2011年2月 PDF

バックナンバー>>

平成23年3月30日(水)Vol.261

粗鋼 前月比7.4%減でも前年比16ヵ月連続増 br /

燃料油 前月比6.9%減でも前年比2.1%増

経産省、主要工業製品の2011年2月の生産速報発表

経済産業省は3月30日、主要工業製品の2011年2月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は2月の粗鋼生産量が900万トン割れの893.6万トンと前月比で7.4%減だが、前年同月比で5.8%の増を示した。これで前年同月比は16ヵ月連続の増加となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の2月の生産量が燃料油計で1 684.1万klと前月比で6.9%減だが、前年同月比2.1%増となった。

2月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が364.4万トンで前月比9.0%減、前年同月比3.0%減。鋼板が104.2万トンで前月比5.3%減だが、前年同月比11.3%増。棒鋼が78.6万トンで前月比4.1%増、前年同月比8.8%増。形鋼が48.2万トンで前月比6.9%増、前年同月比10.2%増。線材が16.4万トンで前月比9.0%減だが、前年同月比8.1%増。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は177.7万トンで前月比10.4%減、前年同月比2.2%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は172.8万トンで前月比5.7%減だが、前年同月比15.1%増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は99.6万トンで前月比8.2%減、前年同月比6.5%減を示した。

また、2月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて375.1万klで前月比0.4%の微減だが、前年同月比4.3%増。ガソリンが455.1万klで前月比7.2%減だが、前年同月比0.6%の微増。軽油が33.16万klで前月比9.3%減だが、前年同月比2.9%増。灯油が254.9万klで前月比9.2%減だが、前年同月比3.7%減。ナフサが189.2万klで前月比4.0%減、前年同月比0.1%の微減。ジェット燃料油が78.3万klで前月比20.2%の大幅減、前年同月比1.8%減となった。

2月のコークスは279.8万トンで前月比10.1%減、前年同月比2.8%減。液化ガスは40.0万トンで前月比8.2%減だが、前年同月比8.8%増となった。

鉄鋼生産速報 2011年2月 Excel

資源エネルギー生産速報 2011年2月 Excel

バックナンバー>>