No.288:生産 前年比減でも前月比3ヵ月連続上昇 経産省 2011年6月の鉱工業生産指数速報発表
No.289: 生産4ヵ月連続前年同月比割れ、前月比は0.3%減 出荷も4ヵ月連続減、国内向け在庫3ヵ月振り減 鉄連 2011年6月の普通鋼鋼材需給速報発表
No.290: 粗鋼 前年比4ヵ月連続減、燃料油 前年比10.5%減 経産省、主要工業製品の2011年6月の生産速報発表
No.291: 燃料油生産 4ヵ月振りに前年比増 エネ庁 2011年6月の石油統計速報発表
No.292: 国内出荷 前年比4ヵ月連続減 製紙連合 2011年6月の紙・板紙需給速報発表
No.293: 前年比で四輪車9ヵ月連続減、二輪車2ヵ月連続増 自工会2011年6月の自動車生産速報発表
No.294: 軽除く新車販売前年比10ヵ月連続減 軽自動車前年比14.1%減 自販連、軽自連が2011年7月の国内自動車販売台数速報発表

平成23年8月2日(火)Vol.288

生産 前年比減でも前月比3ヵ月連続上昇

経産省 2011年6月の鉱工業生産指数速報発表

 
経済産業省は7月29日、2011年6月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報を発

表した。概要は次の通り。

回復しつつある鉱工業生産

◇6月は、生産、出荷が上昇、在庫、在庫率は低下であった。

◇製造工業生産予測調査によると、7月、8月とも上昇を予測している。

◇総じてみれば、生産は東日本大震災の影響から回復しつつある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 92.7 3.9 96.6 ▲1.6
出荷 94.6 8.5 98.1 ▲1.5
在庫 100.8 ▲2.8 100.2 4.0
在庫率 111.9 ▲7.3 109.5 4.7

1. 6月の生産・出荷・在庫動向

【生産】

6月の生産は、前月比3.9%の上昇と3ヵ月連続の上昇(前年同月比は▲1.6%の低下)となり、指数水準は92.7(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、アクティブ型液晶素子(大型)、普通トラックの順に上昇に寄与している。

【出荷】

6月の出荷は、前月比8.5%の上昇と2ヵ月連続の上昇(前年同月比は▲1.5%の低下)となり、指数水準は94.6(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等であった。

【在庫】

6月の在庫は、前月比▲2.8%の低下と3ヵ月振りの低下(前年同月比は4.0%の上昇)となり、指数水準は100.8(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業等であった。

6月の在庫率は、前月比▲7.3%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比は4.7%の上昇)となり、指数水準は111.9(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、7月は前月比2.2%の上昇、8月は同2.0%の上昇であった。7月の上昇は、情報通信機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等により、8月の上昇は、一般機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等による。

6月の実現率は▲1.0%、7月の予測修正率は0.7%となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成23年6月 平成23年7月 平成23年8月
平成23年6月調査 5.3 0.5
平成23年7月調査 2.2 2.0

3. まとめ

6月の生産は、前月比3.9%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、7月、8月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は東日本大震災の影響から回復しつつある。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2011年6月 PDF

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平成23年8月2日(火)Vol.289

生産4ヵ月連続前年同月比割れ、前月比は0.3%減

出荷も4ヵ月連続減、国内向け在庫3ヵ月振り減

鉄連 2011年6月の普通鋼鋼材需給速報発表

 
日本鉄鋼連盟は7月29日、2011年6月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。

6月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(653.2万トン)比41.2万トン・6.3%減の612.0万トンと4ヵ月連続して減少した。また、前月比では1.9万トン・0.3%減少した。

6月の出荷は、国内向けは394.0トンで、前年同月比では18.2万トン・4.4%減と4ヵ月連続して減少した。また、前月比では30.4万トン・8.4%増加した。輸出向けは245.2万トンで、前年同月比で1.2万トン・0.5%増となり、4ヵ月振りの増加となった。また、前月比では46.6万トン・23.5%増加した。

この結果、出荷合計では、前年同月(656.1万トン)比17.0万トン・2.6%減の639.2万トンと4ヵ月連続の減少となった。また、前月比では77.1万トン、13.7%の増加となった。

6月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(703.3万トン)比27.1万トン・3.9%減の676.1万トンで、3ヵ月振りに減少した。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(563.1万トン)比27.7万トン・4.9%減の535.4万トンと3ヵ月振りに減少した。また、問屋在庫は前月末(140.2万トン)比0.6万トン・0.4%増の140.8万トンと4ヵ月連続の増加となった。

国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(563.2万トン)比6.4万トン・1.1%減の556.8万トンと3ヵ月振りに減少した。また、輸出船待在庫は前月末(140.1万トン)比20.7万トン・14.8%減の119.3万トンと3ヵ月振りに減少した。

在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、鋼板(6.3万トン減の66.9万トン)、亜鉛めっき鋼板(6.3万トン減の106.3万トン)、冷延電気鋼帯(3.3万トン減の10.8万トン)、H形鋼(2.2万トン減の26.7万トン)、ブリキ(1.6万トン減の9.2万トン)、鋼管(1.3万トン減の51.5万トン)、大形形鋼(1.1万トン減の8.3万トン)であった。在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は無かった。

6月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の125.1%から19.3ポイント低下し105.8%となったが、3ヵ連続して100%を上回った。うち、国内在庫率は前月末の154.9%から13.6ポイント低下し141.3%となった。

普通鋼鋼材需給速報 2011年6月 Excel

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平成23年8月2日(火)Vol.290

粗鋼 前年比4ヵ月連続減、燃料油 前年比10.5%減

経産省、主要工業製品の2011年6月の生産速報発表

 
経済産業省は7月29日、主要工業製品の2011年6月の生産速報を発表した。

以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は6月の粗鋼生産量が888.6万トンと前月比で1.8%減、前年同月比で5.0%の減を示した。前年同月比は4ヵ月連続の減となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の6月の生産量が燃料油計で1 377.6万klと前月比で3.6%増、前年同月比0.4%の微増となった。

6月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が371.9万トンで前月比6.3%増だが、前年同月比8.8%減。鋼板が103.7万トンで前月比7.5%減だが、前年同月比1.8%増。棒鋼が76.5万トンで前月比8.6%減、前年同月比6.3%減。形鋼が45.5万トンで前月比14.7%の2桁減、前年同月比5.6%減。線材が13.3万トンで前月比12.2%の2桁減、前年同月比20.9%の大幅減。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は179.1万トンで前月比6.6%増だが、前年同月比は8.8%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は166.0万トンで前月比10.7%の2桁増だが、前年同月比6.0%減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は101.8万トンで前月比9.8%増だが、前年同月比12.5%の2桁減を示した。

また、6月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて281.6万klで前月比3.6%増、前年同月比0.4%の微増。ガソリンが423.5万klで前月比1.8%減、前年同月比2.9%減。軽油が73.0万klで前月比13.8%の2桁増、前年同月比9.2%増。灯油が73.0万klで前月比29.6%の大幅減、前年同月比9.3%減。ナフサが133.1万klで前月比17.7%の2桁増だが、前年同月比0.2%の微減。ジェット燃料油が123.0万klで前月比19.9%の大幅増、前年同月比2.5%増となった。

6月のコークスは293.9万トンで前月比4.4%減、前年同月比5.4%減。液化ガスは33.4万トンで前月比11.1%の2桁減だが、前年同月比5.6%増となった。

鉄鋼生産速報 2011年6月 Excel

資源エネルギー生産速報 2011年6月 Excel

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平成23年8月2日(火)Vol.291

燃料油生産 4ヵ月振りに前年比増

エネ庁 2011年6月の石油統計速報発表

 
資源エネルギー庁は7月29日2011年6月の石油統計速報を次の通り発表した。

1.原油の動向

6月の原油輸入量は1 453万kl、前年同月比95.6%と4ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、

(1)サウジアラビア(439万kl、前年同月比93.7%)、

(2)アラブ首長国連邦(426万kl、同145.2%)、

(3)カタール(155万kl、同74.1%)、

(4)イラン(93万kl、同63.5%)、

(5)クウェート(86万kl、同111.7%)、となっている。

なお、今月の中東依存度は86.1%、前年同月に比べ0.4ポイント減と3ヵ月連続して前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1 378万kl、前年同月比100.4%と4ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ジェット燃料油、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油及びA重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は276万kl、前年同月比115.4%と前年を上回った。輸出は259万kl、同115.9%と4ヵ月振りに前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1 397万kl、前年同月比97.3%と4ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及びA重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1 154万kl、前年同月比102.5%と前年を上回った。油種別にみると、ジェット燃料油、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ及びB・C重油は前年同月を下回った。

石油統計速報 2011年6月 Excel

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平成23年8月2日(火)Vol.292

国内出荷 前年比4ヵ月連続減

製紙連合 2011年6月の紙・板紙需給速報発表

 
日本製紙連合はこのほど、2011年6月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。

【6月の概況】

紙・板紙の国内出荷は前年同月比3.7%減、4ヵ月連続の減少。うち、紙は6.8%減、主要品種はいずれもマイナス。他方、板紙は0.6%増、ほとんど横ばいも前月に続きプラス。

紙・板紙の輸出は前年同月比52.7%減、前月同 様、紙を中心に国内向けの優先等から半減。主力 のアジア、大洋州向けが減少。

紙・板紙の在庫は前月比13千トン減、前月の増加 から減少。うち、紙は23千トン減、他方、板紙は10 千トン増。震災等による在庫滅失は9千トン(累計2万5千トン)。

【主要品種】

新聞用紙の国内出荷は前年同月比8.2%減、夕刊

を中心に頁数の減少等から落ち幅は3ヵ月ぶりに拡大。前年割れは7ヵ月連続。

印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比7.0%減、主力工場の被災の影響や震災以降の需要減の継 続等により4ヵ月連続の減少。落ち幅は再び拡大。輸出は62.5%減、主力の塗工紙を中心に9ヵ月連続の減少。4月以降は6割を上回るマイナス。

衛生用紙の国内出荷は前年同月比5.2%減、震災後の大幅出荷増の反動等もあり前月に続き減少。

段ボール原紙、白板紙の国内出荷は、伸び率は鈍化も、エンドユーザーの在庫補充、節電対応による前倒し需要等もあり増加(段ボール原紙:前年同月 比0.6%増、白板紙:1.3%増)。

紙・板紙需給速報 2011年6月 PDF

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平成23年8月2日(火)Vol.293

前年比で四輪車9ヵ月連続減、二輪車2ヵ月連続増

自工会2011年6月の自動車生産速報発表

 
日本自動車工業会は7月29日、2011年6月の自動車生産速報を発表した。概要は次の通り。

【四輪車】

6月の四輪車生産台数は742 431台で、前年同月の862 105台に比べて119 674台・13.9%の減少となり、9ヵ月連続で前年同月を下回った。

6月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。

◇ 乗用車

620 717台で120 296台・16.2%の減少となり、9ヵ月連続のマイナス。このうち普通車は368 155台で64 759台・15.0%の減少、小型四輪車は156 600台で37 262台・19.2%の減少、軽四輪車は95 962台で18 275台・16.0%の減少。

◇ トラック

111 229台で78台・0.1%の増加となり、7ヵ月振りのプラス。このうち普通車は52 994台で5 092台・10.6%の増加、小型四輪車は23 925台で834台・3.6%の増加、軽四輪車は34 310台で5 848台・14.6%の減少。

◇ バス

10 485台で544台・5.5%の増加となり、4ヵ月ぶりのプラス。このうち大型は992台で150台・17.8%の増加、小型は9 493台で394台・4.3%の増加。

6月の国内需要は351 828台で、前年同月比21.6%の減少であった。うち乗用車294 693台で前年同月比21.9%の減少、トラック56 491台で同20.1%の減少、バス644台で同29.3%の減少。

また、1~6月の生産累計は3 429 934台で、前年同期の4 843 770台に比べ1 413 836台・29.2%の減少であった。

このうち乗用車は2 925 187台で1 264 964台・前年同期比30.2%の減少、トラックは464 559台で134 020台・同22.4%の減少、バスは40 188台で14 852台・同27.0%の減少であった。

【二輪車】

6月の二輪車生産台数は55 322台で、前年同月の52 770台に比べ2 552台・4.8%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。

6月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

◇ 原付第一種

10 104台で 2 415台・ 31.4%の増加。

◇ 原付第二種

5 905台で 3 784台・ 39.1%の減少。

◇ 軽二輪車

12 024台で 133台・ 1.1%の増加。

◇ 小型二輪車

27 289台で 3 788台・ 16.1%の増加。

6月の国内需要(出荷)は34 838台で、前年同月比10.7%の増加となった。うち原付第一種22 892台で前年同月比14.0%の増加、原付第二種6 442台で同0.7%の減少、軽二輪車3 806台で同66.6%の増加、小型二輪車?1 698台で同35.0%の減少。

輸出は前年同月比111.8%。(実績)

また、1~6月の生産累計は302 595台で、前年同期の336 461台に比べ33 866台・10.1%の減少であった。? このうち原付第一種は54 911台で14 224台・前年同期比35.0%の増加、原付第二種は26 708台で9 068台・同25.3%の減少、軽二輪車は40 626台で8 533台・同17.4%の減少、小型二輪車は180 350台で30 489台・同14.5%の減少であった。

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平成23年8月2日(火)Vol.294

軽除く新車販売前年比10ヵ月連続減

軽自動車前年比14.1%減

自販連、軽自連が2011年7月の国内自動車販売台数速報発表

 
日本自動車販売協会連合会は8月1日、2011年7月の軽自動車除く国内新車販売台数速報を発表した。

それによると、新車販売台数合計は24万1.472台で、前月比では7.3%の増を示したものの、前年同月比では27.6%の大幅減となり、前年同月比10ヵ月連続の減少となった。

7月の販売台数を車種別にみると、普通乗用車が9万5 357台と前月比で1.4%の微減にとどまったものの、前年同月比で33.2%の大幅減を示し、小型乗用車も11万9 908台で前月比13.5%増をみせながらも、前年同月比で27.2%の大幅減となり、乗用車計では21万5 265台で前月比6.4%の増を示しながら、前年同月比で30.0%の大幅減となった。貨物車は普通・小型を合わせて2万5 281台で前月比14.7%の2桁増を示しながら、前年同月比では1.4%の微減にとどまった。バスは926台で前月比43.8%の大幅増となったが、前年同月比では14.7%の2桁減を示した。

一方、全国軽自動車協会連合会も同日、2011年7月の軽四輪自動車販売台数速報を発表したが、新車販売台数合計は13万1 586台と前月比で3.8%の減、前年同月比で14.1%の2桁減となった。

自動車販売台数は依然、生産体制が東日本大震災被害から復旧しておらず、販売実績が伸び悩んでいる。

2011年7月新車販売台数速報 Excel

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