No.408:前月比で生産3ヵ月連続減、出荷2ヵ月振り減 経産省 2012年9月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.409:生産量前年比 粗鋼7ヵ月振り減、燃料油2ヵ月連続減 経産省・エネ庁が主要工業製品の9月生産動態統計速報発表
No.410: 国内出荷 紙6ヵ月、板紙2ヵ月連続減少 製紙連合 2012年9月の紙板紙需給速報発表

平成24年10月31日(水)Vol.408

前月比で生産3ヵ月連続減、出荷2ヵ月振り減

経産省 2012年9月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 
経済産業省は10月30日、2012年9月の鉱工業生産出荷・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

  • 今月は、生産、出荷、在庫が低下、在庫率は上昇であった。

  • 製造工業生産予測調査によると、10月低下の後、11月は上昇を予測している。

  • 総じてみれば、生産は低下傾向にある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 86.5 ▲4.1 91.3 ▲8.1
出荷 87.5 ▲4.4 93.9 ▲8.5
在庫 107.8 ▲0.9 105.8 4.8
在庫率 130.5 4.2 119.4 11.0

1. 9月の生産・出荷・在庫動向

【生産】

9月の生産は、前月比▲4.1%の低下と3ヵ月連続の低下(前年同月比は▲8.1%の低下)となり、指数水準は86.5(季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、駆動伝導・操縦装置部品の順に低下に寄与している。

【出荷】

9月の出荷は、前月比▲4.4%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は▲8.5%の低下)となり、指数水準は87.5(季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業等であった。

【在庫】

9月の在庫は、前月比▲0.9%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比4.8%の上昇)となり、指数水準は107.8(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、精密機械工業等であった。

9月の在庫率は、前月比4.2%の上昇と2か月ぶりの上昇(前年同月比は11.0%の上昇)となり、指数水準は130.5(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、10月は前月比▲1.5%の低下、11月は同1.6%の上昇を予測している。10月の低下は、情報通信機械工業、鉄鋼業、その他等による。11月の上昇は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、化学工業等による。

9月の実現率は▲1.5%、10月の予測修正率は▲2.9%だった。

製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比 %)

平成17年=100

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成24年9月 平成24年10月 平成24年11月
平成24年9月調査 ▲2.9 0.0
平成24年10月調査 ▲1.5 1.6

3. まとめ

9月の生産は、前月比▲4.1%の低下となった。また、製造工業生産予測調査によると、10月低下の後、11月は上昇を予測している。総じてみれば、生産は低下傾向にある。

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平成24年10月31日(水)Vol.409

生産量前年比 粗鋼7ヵ月振り減、燃料油2ヵ月連続減

経産省・エネ庁が主要工業製品の9月生産動態統計速報発表

 
経済産業省と資源エネルギー庁は10月30日、2012年9月の生産動態統計速報を発表した。それによると鉄鋼は粗鋼生産量が880.2トンと前月比で4.4%、前年同月比で1.0%ともに減少を示した。前年同月比は6ヵ月連続した増加が途切れた。石油製品の生産量は燃料油計で1 461.5万KLと前月比で11.0%、前年同月比0.9%ともに減少となった。

鉄鋼の9月の生産を品種別にみると、普通鋼の鋼帯が375.4万トンで前月比4.2%減だが、前年同月比3.6%増。鋼板が91.8万トンで前月比4.4%、前年同月比11.5%ともに減。棒鋼が82.3万トンで前月比13.1%、前年同月比4.9%ともに増。形鋼が44.7万トンで前月比3.0%、前年同月比10.8%ともに増。線材が14.1万トンで前月比3.9%の微減だが、前年同月比3.5%増。冷延広幅鋼帯は177.4万トンで前月比3.3%、前年同月比0.8%ともに減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は157.8万トンで前月比5.2%、前年同月比9.3%ともに減。めっき鋼材の亜鉛めっき鋼板は106.3万トンで前月比0.5%、前年同月比1.4%ともに減を示した。

一方、9月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて336.8万KLで前月比10.9%の2桁減だが、前年同月比11.6%の2桁増。ガソリンが434.1万KLで前月比14.4%の2桁減、前年同月比0.2%の微減。軽油が308.7万KLで前月比13.0%の2桁減、前年同月比9.8%減。灯油が113.2万KLで前月比5.0%減、前年同月比17.3%の2桁減。ナフサが132.3万KLで前月比9.9%、前年同月比9.8%ともに減。ジェット燃料油が136.4万KLで前月比0.5%の微減だが、前年同月比21.7%の大幅増となった。

また、9月のコークス生産は292.3万トンで前月比3.6%減だが、前年同月比1.7%増。液化石油ガスの生産は36.9万トンで前月比8.3%減だが、前年同月比9.1%増。石灰石の生産は1 212.2万トンで前月比4.8%増、前年同月比10.7%の2桁増となった。

鉄鋼生産統計速報 2012年9月 Excel

資源エネルギー生産統計速報 2012年9月 Excel

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平成24年10月31日(水)Vol.410

国内出荷 紙6ヵ月、板紙2ヵ月連続減少

製紙連合 2012年9月の紙板紙需給速報発表

 
日本製紙連合会はこのほど、2012年9月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。

【概況】

紙・板紙の国内出荷は前年同月比6.7%減、4ヵ月連続の減少となった。うち、紙は6.3%減で6ヵ月連続の減、板紙は7.1%減で2ヵ月連続の減であり、ともに前月を上回る落ち込みだった。主要品種でみてもいずれも減少した。

一方、紙・板紙の輸出は前年同月比37.2%増となった。震災前の水準は下回るものの、紙を中心にアジア向けの増加等により、前月の減少から増加に転じた。

紙・板紙の在庫は前月比24 000トン増となり、2ヵ月連続の増加だった。うち、紙は6 000トン減で2ヵ月振りの減だが、板紙は30 000トン増で3ヵ月振りの増加だった。

【主要品種】

新聞用紙の国内出荷は前年同月比2.9%減、広告出稿等頁数の減少により、8ヵ月振りの減少となった。

印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比9.0%減で、6ヵ月連続の減少となった。輸入の高水準に、前年の価格修正による前倒し需要の反動減等もあり、2桁に近い減少だった。他方、輸出は41.1%の大幅増で、震災前の水準は下回るも、塗工紙を中心に前月の減少から増加に転じた。

段ボール原紙の国内出荷は前年同月比6.0%減で、2ヵ月連続の減少となった。荷動きは全般的に低調で、加えて古紙価格の引き下げに伴う先安観から需要家の買い控え等もあり、落ち幅が拡大した。

包装用紙の国内出荷は前年同月比17.6%減で、12ヵ月連続の減少となった。白板紙は14.0%減で、11ヵ月連続の減少となった。いずれも前年の価格修正による前倒し需要の反動減により、今年最大の落ち込みだった。

紙・板紙需給速報 2012年9月 PDF

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