No.669:生産3.6%、出荷1.4%前月比増 経産省 3月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
No.670:粗鋼19ヵ月連続前年比減、年度で2年連続減 燃料油7ヵ月振り前年比増、年度で4.6%増 経産省・エネ庁が3月の生産動態統計速報発表
No.671:燃料油国内販売6ヵ月連続前年割れ 年度計で国内販売前年比1.1%減 エネ庁 3月の石油統計速報発表
No.672:4ヵ月振りに前年比増 27年度は2年連続前年比減 自工会 3月の四輪車生産速報発表

平成28年5月10日(火)Vol.669

生産3.6%、出荷1.4%前月比増

経産省 3月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表

経済産業省は4月28日、3月の鉱工業・生産出荷・在庫速報を発表した。経産省では3月の特長0を①生産、出荷、在庫、在庫率ともに上昇 ②製造工業生産予測調査によると4月は上昇、5月は低下を予測 ③総じてみれば生産は一進一退で推移、としている。概要は次の通り。

鉱工業指数

平成22年(2010年)=100

注1:( )内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 96.6(93.2) 3.6(▲5.2) 107.9(94.4) 0.1(▲1.2)
出荷 94.1(92.8) 1.4(▲4.1) 109.2(93.8) ▲1.2(▲1.6)
在庫 115.3(112.2) 2.8(▲0.2) 106.7(114.0) 1.7(▲0.9)
在庫率 118.5(114.5) 3.5(▲1.5) 99.6(117.2) 4.0(0.9)

1. 生産・出荷・在庫動向

【生産】

生産は、前月比3.6%の上昇。上昇業種は輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、金属製品工業等。低下業種は情報通信機械工業、窯業・土石製品工業、石油・石炭製品工業

【出荷】

出荷は、前月比1.4%の上昇。上昇業種は輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、金属製品工業等。低下業種は電子部品・デバイス工業、繊維工業、鉄鋼業等

【在庫】

在庫は、前月比2.8%の上昇。上昇業種は輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業等。低下業種は石油・石炭製品工業、鉄鋼業、プラスチック製品工業等

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、4月は前月比2.6%の上昇、5月は▲2.3%の低下。4月の上昇業種は輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業等。5月の低下業種は輸送機械工業、電気機械工業、化学工業等

製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))

平成22年(2010年)=100

注)▲はマイナスを示す。
平成28年3月 平成28年4月見込み 平成28年5月見込み
平成28年4月調査(今回) 2.6 ▲2.3
平成28年3月調査(前回) 4.2 5.7

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平成28年5月10日(火)Vol.670

粗鋼19ヵ月連続前年比減、年度で2年連続減

燃料油7ヵ月振り前年比増、年度で4.6%増

経産省・エネ庁が3月の生産動態統計速報発表

経済産業省と資源エネルギー庁は4月28日、3月の生産動態統計速報を発表した。それによると3月の粗鋼生産量は872.6万トンで前月比4.6%増だが、前年同月比6.0%のともに減となり、26年9月以降19ヵ月連続で対前年同月比減が続いている。この結果、27年度の粗鋼生産は1億417.6万トンと前年度比1億984.4万トンを566.8万トン、5.2%下回り、2年連続の前年度比減少となり、21年度の9,644.8万トン以来の低水準となった。3月の生産を品目別にみるとは期末需要が大きく、普通鋼の大形形鋼と熱間鋼管の特殊鋼を除いた全品種で前月比増となったが、それでもほとんどの品目で前年同月比減となっている。

また、石油製品の3月の生産は燃料油計で1,632.6万㎘と前月比4.1%、前年同月比4.6%のともに増を示した。石油はこれで7ヵ月振りの対前年同月比増となった。この結果、27年度の燃料油生産量は1億7,882.9万㎘と前年度比0.6%の微増となった。

3月の生産・出荷の動向は次の通り。

【鉄鋼の生産】

2月の生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が384.0万トンと前月比7.4%増だが、前年同月比6.7%減。冷延広幅帯鋼が160.9万トンと前月比8.8%増だが、前年同月比4.7%減。冷延電気鋼帯が12.9万トンと前月比31.8%の大幅増だが、前年同月比5.6%減。鋼板が86.9万トンと前月比7.8%増だが、前年同月比6.2%減。小形棒鋼が68.5万トンと前月比6.7%増だが、前年同月比9.7%減。H形鋼が33.0万トンと前月比6.7%増だが、前年同月比5.7%減。線材が15.9万トンと前月比18.1%の2桁増だが、前年同月比7.7%減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が163.8万トンと前月比4.7%増で、前年同月比0.8%の微減。冷延広幅鋼帯が24.5トンと前月比12.2%の2桁増で、前年同月比も6.1%増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が35.8万トンで前月比3.4%増だが、前年同月比9.0%減。特殊鋼が13.0万トンで前月比14.3%、前年同月比15.6%のともに2桁減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が93.2万トンと前月比8.3%増だが、前年同月比9.2%減となった。

【鉄鋼の出荷】

出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が208.8万トンと前月比16.3%の2桁増だが、前年同月比1.4%減。冷延広幅帯鋼が62.6万トンと前月比20.3%の大幅増だが、前年同月比1.2%減。冷延電気鋼帯が12.9万トンと前月比11.7%の2桁増だが、前年同月比10.4%の2桁減。鋼板が92.8万トンと前月比10.4%の2桁増だが、前年同月比5.7%減。小形棒鋼が72.7万トンと前月比9.7%増だが、前年同月比4.8%減。H形鋼が35.1万トンと前月比14.0%の2桁増だが、前年同月比5.1%減。線材が16.9万トンと前月比18.9%の2桁増で、前年同月比も1.6%増となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が131.6万トンと前月比17.3%の2桁増で、前年同月比も4.3%増。冷延広幅帯鋼が24.1万トンと前月比14.3%の2桁増で、前年同月比も6.2%増になった。

熱間鋼管では、普通鋼が34.4万トンと前月比14.3%の2桁増だが、前年同月比9.1%減。特殊鋼が14.0万トンで前月比1.9%増だが、前年同月比13.0%の2桁減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が97.8万トンと前月比11.2%の2桁増だが、前年同月比5.3%減となった。

【石油の生産】

2月の生産を油種別にみると、重油が1,632.6万㎘と前月比4.1%、前年同月比4.6%のともに増。ガソリンが484.4万㎘で前月比6.8%、前年同月比4.2%のともに増。軽油が355.1万㎘と前月比10.1%増だが、前年同月比1.3%減。灯油が180.9万㎘と前月比3.2%減だが、前年同月比25.8%の大幅増。ナフサが171.7万㎘と前月比10.8%の2桁減だが、前年同月比1.9%増。ジェット燃料油が117.0㎘と前月比13.8%の2桁増だが、前年同月比11.2%の2桁減。液化石油ガスが36.6万トンと前月比12.2%の2桁増だが、前年同月比2.6%減。アスファルトが27.1万トンと前月比5.2%減だが、前年同月比2.8増%。潤滑油が22.1万トンと前月比8.5%増だが、前年同月比9.1%減となった。

【石油の出荷】

出荷を油種別にみると、重油が330.4万㎘と前月比0.3%との微減だが、前年同月比0.4%の微増。ガソリンが497.9万㎘と前月比5.2%、前年同月比1.9%のともに増。軽油が392.0万㎘と前月比11.3%の2桁増で、前年同月比も2.7%増。灯油が195.1万㎘と前月比16.0%の2桁減だが、前年同月比10.8%の2桁増。ナフサが369.2万㎘と前月比0.2%の微増で、前年同月比2.8%増。ジェット燃料油が123.2万㎘と前月比12.6%の2桁増で、前年同月比5.8%減。液化石油ガスが49.0万トンと前月比4.7%増だが、前年同月比11.1%の2桁減。アスファルトが22.4万トンと前月比8.5%増だが、前年同月比6.5%減。潤滑油が24.5万トンと前月比9.4%増だが、前年同月比4.3%減となった。

【コークス・石灰石】

コークスの生産は281.3万トンと前月比7.3%増だが、前年同月比0.1%の微減。出荷は78.3万トンと前月比10.2%増で、前年同月比0.6%の微増。石灰石の生産は1,268.8万トンと前月比7.1%、前年同月比1.0%のともに増。出荷は988.3万トンと前月比5.3%増だが、前年同月比3.5%減を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成28年3月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成28年3月 Excel

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平成28年5月10日(火)Vol.671

燃料油国内販売6ヵ月連続前年割れ

年度計で国内販売前年比1.1%減

エネ庁 3月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は4月28日、3月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

3月の原油輸入量は1,755万㎘、前年同月比96.6%と4ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると次のようになる。

(1)サウジアラビア(592万㎘、前年同月比86.6%)

(2)アラブ首長国連邦(462万㎘、同103.1%)

(3)クウェート(165万㎘、同133.6%)

(4)カタール(159万㎘、同120.2%)

(5)ロシア(134万㎘、同112.4%)

3月の中東依存度は85.9%、前年同月に比べ0.4ポイント増と5ヵ月連続して前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,633万㎘、前年同月比104.6%と7ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は232万㎘、前年同月比75.3%と前年を下回った。輸出は297万㎘、同124.6%と前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,650万㎘、前年同月比99.5%と6ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は876万㎘、前年同月比94.9%と8ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ナフサ及びB・C油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要速報 平成28年3月 Excel

石油需給概要速報 平成27年度 Excel

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平成28年5月10日(火)Vol.672

4ヵ月振りに前年比増 27年度は2年連続前年比減

自工会 3月の四輪車生産速報発表

日本自動車工業会は4月28日、3月の四輪車生産実績速報を発表した。それによると、3月の四輪車生産台数は889,501台で、前年同月の878,577台に比べて10,924台・1.2%の増加となり、4ヵ月振りに前年同月を上回った。

3月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

【乗用車】

757,605台で17,369台・2.3%の増加となり、4ヵ月振りの増加となった。このうち普通車は462,727台で35,381台・8.3%の増加、小型四輪車は158,365台で18,266台・13.0%の増加だったが、軽四輪車は136,513台で36,278台・21.0%の減少だった。

【トラック】

119,980台で6,011台・4.8%の減少となり、11ヵ月連続の減少となった。このうち普通車は50,180台で4,908台・8.9%の減少、小型四輪車は33,049台で568台・1.7%の増加。軽四輪車は36,751台で1,671台・4.3%の減少だった。

【バス】

11,916台で434台・3.5%の減少となり、4ヵ月連続の減少となった。このうち大型は1,088台で37台・3.5%の増加、小型は10,828台で471台・4.2%の減少だった。

3月の国内需要は635,901台で、前年同月比8.6%の減少であった。うち乗用車532,468台で前年同月比9.3%の減少、トラック100,754台で同5.0%の減少、バス2,679台で同5.1%の増加だった。輸出は前年同月比1.8%の増加だった。

また、27年度(4~3月)の生産台数は9,187,505台で、前年度の9,590,733台に比べ403,228台・4.2%の減少となり、2年連続で前年度を下回った。

27年度の車種別生産台数と前年度比は次の通り。

【乗用車】

7,773,128台で314,767台・3.9%の減少となった。このうち普通車は4,803,694台で190,416台・4.1%の増加、 小型四輪車は1,538,911台で123,371台・7.4%の減少、軽四輪車は1,430,523台で381,812台・21.1%の減少だった。

【トラック】

1,279,309台で85,009台・6.2%の減少となった。このうち普通車は566,981台で45,381台・7.4%の減少、小型四輪車は325,892台で5,330台・1.6%の減少、軽四輪車は386,436台で34,298台・8.2%の減少だった。

【バス】

135,068台で3,452台・2.5%の減少となつた。このうち大型は11,446台で1,547台・15.6%の増加、小型は123,622台で4,999台・3.9%の減少だった。

27年度の国内需要は4,937,734台で、前年度の5,297,111台に比べ359,377台・6.8%の減少となり、2年連続で前年度を下回った。うち乗用車4,115,436台で前年度比7.6%の減少、トラック808,174台で同2.8%の減少、バス14,124台で同16.4%の増加だった。27年度の輸出は前年度比2.0%の増加だつた。

※添付資料

四輪車生産実績速報 平成28年3月 PDF

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