No.714: 生産、出荷2カ月振り上昇 経産省 6月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
No.715: 燃料油国内販売 前年比0.7%減 エネ庁 6月の石油統計速報発表
No.716: 粗鋼・燃料油生産 前月・前年比減 経産省 6月の生産動態統計速報発表

平成29年8月1日(火)Vol.714

生産、出荷2カ月振り上昇

経産省 6月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表

 

経済産業省は7月31日、6月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。6月の鉱工業生産は前月比1.6%上昇し、出荷も前月比2.3%。ともに2カ月振りの前月比増となった。在庫指数は7カ月振りに前月比低下を示した。経産省では7月の生産計画を若干低下とみながらも、8月の生産計画は大きめの上昇を見込んでいる。

6月の「生産」は、季節調整済指数101.7、前月比1.6%上昇となった。前年同月比は4.9%上昇で、8カ月連続で前年同月比上昇が続いている。

今年第2四半期の指数値は101.9、前期比1.9%上昇と5四半期連続で生産前期比上昇が続いている。第1四半期の前期比上昇幅は0.2%と小さなものだったが、第2四半期は昨年の第3四半期、第4四半期と同様に1%台後半の伸びに戻っている。

714-g-01

6月の鉱工業出荷は、指数値100.5、前月比2.3%の上昇となった。前年同月比は5.1%上昇で、生産同様に8カ月連続で前年同月比上昇が続いている。生産に比べると前月比上昇幅が大きく、5月の低下幅マイナス2.9%をかなりカバーする結果だった。指数値100.5も、今年上半期で2番目のレベルとなっている。

今年第2四半期の指数値は99.9、前期比1.4%上昇で2四半期振りの前期比上昇となっている。第1四半期はマイナス0.1%低下と微減となっていたが、そこからずるずる低下する事態にはならず、しっかりとした出荷前期比上昇に戻った。

714-g-02

6月は出荷の回復が大きかったことから、6月の在庫は指数値108.9、前月比マイナス2.2%低下と7カ月振り、つまり今年初めて前月比低下となった(5月は横ばい)。在庫指数のグラフをみても、今年に入って大分高くなっていた水準が、6月に半分ほど解消されている。

714-g-03

7月の生産計画については、補正済みの計算で前月比マイナス0.3%低下と若干の低下が見込まれる(補正前では、0.8%上昇見込み)。電子部品・デバイス工業などは増産計画だが、輸送機械工業などが減産計画となっている。
補正なしの集計で8月の生産計画は7月計画比3.6%上昇と、比較的強気の生産計画となっており、汎用・生産用・業務用機械工業や輸送機械工業の増産計画が影響している。

注)▲はマイナスを示す。
年間補正処理により、3月調査の数値が補正されました。
平成29年6月 平成29年7月見込み 平成29年8月見込み
平成29年7月調査(今回) 0.8% 3.6%
平成28年6月調査(前回) 2.8% ▲0.1%

製造工業生産予測調査の試算値 (季節調整済前月比(%))

平成22年(2010年)=100

試算値 予測調査結果
7月前月比 ▲0.3%
(▲1.3%~0.7%)
0.8%

714-g-04

6月の鉱工業生産は前月比プラスを確保し、出荷も前月比上昇となって、在庫は7カ月振りに低下となった。積み上がっていた在庫水準が、6月に大きく低下している。

また、生産の先行き計画について7月微減、8月大きめの上昇が計画されている。

こうした状況を踏まえ基調判断については、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたい。

714-g-05

バックナンバー>>

平成29年8月1日(火)Vol.715

燃料油国内販売 前年比0.7%減

エネ庁 6月の石油統計速報発表

 

資源エネルギー庁は7月31日、6月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

6月の原油輸入量は1,339万㎘、前年同月比89.6%と2カ月連続で前年を下回った。輸入量の多い順にみると次の通り。

(1)サウジアラビア(467万㎘、前年同月比96.6%)

(2)アラブ首長国連邦(352万㎘、同89.2%)

(3)ロシア(135万㎘、同183.8%)

(4)カタール(113万㎘、同77.4%)

(5)クウェート(110万㎘、同137.9%)となっている。

なお、今月の中東依存度は84.6%、前年同月に比べ5.1ポイント減と3カ月連続で前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,263万㎘、前年同月比95.1%と5カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は259万㎘、前年同月比133.5%と5カ月連続して前年を上回った。輸出は236万㎘、同90.5%と5カ月連続して前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,286万㎘、前年同月比99.3%と前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、灯油、軽油およびA重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は939万㎘、前年同月比100.8%と23カ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料及びA重油は前年同月を上回ったが、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成29年6月 Excel

バックナンバー>>

平成29年8月1日(火)Vol.716

粗鋼・燃料油生産 前月・前年比減

経産省 6月の生産動態統計速報発表

 

経済産業省と資源エネルギー庁は7月31日、6月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は839.4万トンで前月比6.0%、前年同月比4.3%のともに減となった。また、石油製品生産量は燃料油計が1,263.2万㎘で前月比5.6%、前年同月比4.9%のともに減少となった。

【6月の鉄鋼生産】

6月の鉄鋼生産は銑鉄が625.0万トンと前月に比べ45.0万トン・6.7%減、前年同月比6.1%減と5カ月連続の減少となった。4~6月では1,946.3万トンで前年同期比2.8%減、1~6月では3,917.1万トンで同2.3%減となった。

粗鋼生産は839.1万トンで前月比53.8万トン・6.0%減、前年同月比4.3%減となり、前年同月比では2カ月連続の減少となった。6月の1日当たり粗鋼生産は27.97万トンで、5月の同28.80万トン比2.9%減となった。4~6月では2,607.5万トンで前年同期比0.5%減、1~6月では5,230.5万トンで同0.5%増となった。

炉別生産をみると、転炉鋼が629.2万トンと前月比7.0%減、前年同月比6.6%減。電炉鋼が209.9万トンと同3.1%減、同3.4%増となり、前年同月比でみると転炉鋼は2カ月連続の減少。電炉鋼は9カ月連続の増加となった。

鋼種別生産では、普通鋼が632.4万トンと前月比5.9%減、前年同月比7.4%減。特殊鋼が206.7万トンと同6.5%減、同6.5%増となり、前年同月比で普通鋼は2カ月連続の減少、特殊鋼は14カ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材を普通鋼、特殊鋼の合計でみると、生産は739.3万トンと前月比37.5万トン・4.8%減、前年同月比で2.6%減と2カ月連続の減少となった。4~6月は2,283.9万トンで、前年同期比0.3%減となった。1~6月では4,617.8万トンで、同0.8%増となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は570.7トンと前月に比べ35.5万トン・5.9%減、前年同月比では5.2%減と4カ月連続の減少となった。4~6月では1,771.5万トンで前年同期比2.6%減、1~6月では3,605.0万トンで同0.7%減となった。

品種別では条鋼類が142.9万トン、前月比5.7%減、前年同月比6.3%減で、前年同月比では2カ月連続の減少となった。鋼板類は423.8万トン、前月比5.8%減、前年同月比4.8%減となり、前年同月比では5カ月連続の減少となった。

主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が349.3万トンと前月比6.4%、前年同月比1.1%のともに減。冷延広幅帯鋼が150.2万トンと前月比6.0%減だが、前年同月19%増。鋼板が75.5万トンと前月比1.1%減で、前年同月比18.1%の2桁減。小形棒鋼が70.8万トンと前月比0.7%の微増だが、前年同月比4.3%減。H形鋼が28.9万トンと前月比14.1%の2桁減で、前年同月比も7.4%減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が168.1万トンと前月比1.4%減だが、前年同月比7.1%に増。冷延広幅鋼帯が24.7トンと前月比4.3%減だが、前年同月比12.7%の2桁増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が37.3万トンと前月比7.0%、前年同月比7.8%のともに増。特殊鋼が12.5トンと前月比25.9%の大幅減で、前年同月比も18.3%の2桁減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が90.3万トンと前月比1.5%減だが、前年同月比6.6%増となった。

【6月の鉄鋼出荷】

6月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が170.1万トンと前月比1.5%増だが、前年同月比2.5%桁減。鋼板が74.8万トンと前月比1.3%増だが、前年同月比13.5%の2桁減。小形棒鋼が73.5万トンと前月比10.0%の2桁増だが、前年同月比2.3%減。H形鋼が30.3万㌧で前月比5.9%、前年同月比5.7%のともに減。冷延広幅帯鋼が56.1万トンと前月比4.9%減だが、前年同月比4.8%増となった。

特殊鋼の熱間圧延鋼材は130.4万トンと前月比4.0%増で、前年同月比10.2%の2桁増。冷延広幅帯鋼は22.9万トンと前月比2.4%減だが、前年同月比16.5%の2桁増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が33.7トンと前月比14.7%の2桁増で、前年同月比も9.7%増。特殊鋼が18.3万トンと前月比22.1%、前年同月比59.5%のともに大幅増となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が90.1万トンと前月比0.8%の微減だが、前年同月比7.8%増となった。

【6月の石油生産】

6月の石油製品の生産を油種別にみると、重油が193.7万㎘と前月比8.8%減で、前年同月比25.2%の大幅減。ガソリンが406.0万㎘で前月比7.8%減だが、前年同月比2.0%増。軽油が320.9万㎘と前月比1.6%減だが、前年同月比3.2%増。灯油が67.3万㎘と前月比22.3%の大幅減だが、前年同月比3.4%増。ナフサが142.3万㎘と前月比8.0%増だが、前年同月比7.1%減。ジェット燃料油が133.0万㎘と前月比6.1%、前年同月比6.1%のともに減。液化石油ガスが37.4万トンと前月比6.9%減だが、前年同月比14.0%の2桁増。アスファルトが22.7万トンと前月比2.6%増だが、前年同月比15.6%の2桁減。潤滑油が16.7万㎘と前月比11.9%の2桁増だが、前年同月比17.0%の2桁減となった。

【6月の石油出荷】

6月の石油製品の出荷を油種別にみると、重油が208.5万㎘と前月比5.0%減で、前年同月比20.9%の大幅減。ガソリンが420.1万㎘と前月比4.3%減だが、前年同月比2.6%増。軽油が332.7万㎘と前月比2.7%減で、前年同月比0.6%の微減。灯油が70.2万㎘と前月比13.3%の2桁減だが、前年同月比11.8%の2桁増。ナフサが336.7万㎘と前月比7.0%減だが、前年同月比0.8%の微増。ジェット燃料油が133.3万㎘と前月比0.2%の微減で、前年同月比16.0%の2桁減。液化石油ガスが45.6万トンと前月比4.9%減だが、前年同月比9.5%増。アスファルトが130万トンと前月比5.9%減で、前年同月比14.4%の2桁減。潤滑油が18.8万㎘と前月比4.1%増だが、前年同月比18.8%の大幅減となった。

【6月のコークス・石灰石】

6月のコークスの生産は267.6万トンと前月比6.2%減だが、前年同月比0.7%の微減。出荷は69.6万トンと前月比6.2%増だが、前年同月比6.9%減となった。

6月の石灰石の生産は1,140.6万トンと前月比2.3%減だが、前年同月比3.4%増。出荷は923.2万トンと前月比0.0%の横這いで、前年同月比3.8%増を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成29年6月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成29年6月 Excel

バックナンバー>>