No.726: 生産3カ月連続上昇で暦年は3年振り増 経産省 12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.727: 燃料油販売 3カ月連続減 エネ庁 12月の石油統計速報発表
No.728: 粗鋼生産 前年比増に転じる 燃料油生産 前年比10カ月振り増 経産省 12月の生産動態統計速報発表

平成30年2月2日(金)Vol.726

生産3カ月連続上昇で暦年は3年振り増

経産省 12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 

経済産業省は1月31日、平成29年12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、12月の鉱工業生産は前月比2.7%増で3カ月連続上昇し、29年暦年も3年振りに前年比増となった。12月の鉱工業生産で上昇寄与率の大きいのは輸送機械と汎用・生産用・業務用機械で、財別分類の出荷も好調だった。1月は大きな減産計画だが、2月はそれを上回る増産計画であることから経産省では、基調判断を「持ち直している」に据え置いている。

12月の生産は3カ月連続上昇

12月の鉱工業生産は季節調整済指数106.3、前月比2.7%上昇と3カ月連続の上昇となった。前年同月比は4.2%上昇で、14カ月連続で前年同月比上昇が続いている。

平成29年第4四半期の指数値は104.3で前期比1.8%増となり、7四半期連続の前期比上昇となった。鉱工業生産の前月比、前期比の連続上昇が続いており、好調な生産活動が続いていたと評価できる。この結果、平成29年の鉱工業生産は、前年比4.5%と3年振りに前年比上昇となった。

12月の鉱工業出荷は指数値103.9、前月比2.7%増と2カ月連続の前月比上昇となった。前年同月比は4.0%上昇で、14カ月連続で前年同月比上昇が続いている。

平成29年第4四半期の指数値は101.3で、前期比0.9%増となり、3四半期連続の前期比上昇となった。この結果、平成29年暦年の鉱工業出荷は、指数値100.0、前年比3.8%増と3年振りの前年比上昇となった。

上昇寄与率が大きい輸送用機械と汎用・生産用・業務用機械

平成29年12月の鉱工業生産では、15業種のうち12業種が前月比上昇、3業種が前月比低下だった。

生産上昇業種のうち12月の生産上昇への影響度、寄与が大きいのは、輸送機械工業、汎用・生産用・業務用機械工業、金属製品工業、電子部品・デバイス工業だった。輸送機械工業の寄与が全体の半分近くになっており、12月は輸送機械工業の上昇寄与が大きくなっている。また、汎用・生産用・業務用機械工業の寄与は、3位の金属製品工業の2倍あったので、輸送機械工業との2業種が12月の鉱工業生産の牽引役だった。

財別分類の出荷も好調

12月の鉱工業出荷では、財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみると、非耐久消費財を除き各財別出荷指数が前月比上昇となっている。最も上昇寄与が大きかったのは、鉱工業生産の好調を反映して生産財の出荷だった。また、設備投資に用いられる資本財、耐久消費財の寄与もそれぞれ、生産財の半分程度で続いている。

1月は大きく減産も2月はカバーする上昇

1月上旬に実施した1月、2月の生産予測調査では、1月の生産計画調査結果をそのままを集計すると前月比4.3%減と大きな低下を見込む結果になっている。さらに、2月の生産計画はこの1月計画から前月比5.7%増と大きく上昇が見込まれていた。

12月計画値に含まれるバイアスを補正しても、前月比マイナス4.3%減程度の低下の結果で、1月の生産はかなり高い水準となっていた12月から相当程度の低下となっているものと思われる。しかし、1月の生産計画を前年実績と比較すると、9.7%増産の計画なので、生産水準自体の高さは維持している。さらに、2月の生産計画は12月の水準を伺う勢いになっている。

製造工業生産予測指数 (季節調整済前月比(%))

注)▲はマイナスを示す。
平成30年1月見込み 平成30年2月見込み
平成30年1月調査(今回) ▲4.3% 5.7%
平成29年12月調査(前回) ▲4.5%

製造工業生産予測指数の補正値 (季節調整済前月比(%))

試算値 予測調査結果
1月前月比 ▲4.3%
(▲5.2%~▲3.3%)
▲4.3%

基調判断「生産持ち直し」に据え置き

12月の鉱工業生産は前月比2.7%と3カ月連続上昇だった。出荷も2カ月連続上昇で、在庫も2カ月連続低下した。鉱工業生産は15業種のうち12業種が前月比上昇だった。先行きの生産計画でも1月は大きめの減産計画となっているが、2月はその減産を上回る勢いの増産となっており、2月の生産計画水準は高い水準となった12月の水準を上回る勢いだ。こうした状況を踏まえて基調判断について経産省では、「生産は持ち直している」と据え置くことにしている。

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平成30年2月2日(金)Vol.727

燃料油販売 3カ月連続減

エネ庁 12月の石油統計速報発表

 

資源エネルギー庁は1月31日、平成29年12月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

12月の原油輸入量は1,738万㎘、前年同月比97.6%と前年を下回った。輸入量の多い順にみると次の通りだった。

(1)サウジアラビア(697万㎘、前年同月比99.1%)

(2)アラブ首長国連邦(449万㎘、同108.3%)

(3)カタール(123万㎘、同71.3%)

(4)クウェート(115万㎘、同132.2%)

(5)イラン(108万㎘、同88.8%)となっている。

なお、今月の中東依存度は87.0%、前年同月に比べ0.2ポイント増と5カ月連続で前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,621万㎘、前年同月比97.5%と前年を下回った。油種別にみると、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は325万㎘、前年同月比107.0%と5カ月連続で前年を上回った。輸出は314万㎘、前年同月比118.5%と2カ月連続で前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,736万㎘、前年同月比99.4%と3カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は905万㎘、前年同月比97.6%と3カ月振りに前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成29年12月 Excel

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平成30年2月2日(金)Vol.728

粗鋼生産 前年比増に転じる

燃料油生産 前年比10カ月振り増

経産省 12月の生産動態統計速報発表

 

経済産業省は1月31日、平成29年12月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は872.1万トンで前月比0.2%、前年同月比0.1%のともに微増となった。前年同月比では2カ月連続の増となった。また、石油製品生産量は燃料油計が1,620.7万㎘で前月比9.3%増だが、前年同月比2.5%減となった。前年同月比では11月に10カ月振りの増となったものの、再び減に転じた。

【12月の鉄鋼生産】

平成29年12月の鉄鋼生産は銑鉄、粗鋼が前月比、前年同月比とも増加したが、熱間圧延鋼材は前月比、前年同月比とも減少した。

銑鉄生産は657.9万トンと前月比2.4%増、前年同月比0.3%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。10~12月では前年同期比0.8%減となった。

粗鋼生産は871.9万トンで前月比0.2%増、前年同月比0.1%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。12月の1日当たり粗鋼生産は28.1万トンで、11月の前年同月比3.0%減となった。10~12月では2,639.3万トンと前年同期比横ばいとなった。

12月の炉別生産をみると転炉鋼が661.9万トンと前月比2.1%増、前年同月比1.6%減、電炉鋼が210.0万トンと前月比5.5%減、前年同月比5.7%増となり、前年同月比でみると転炉鋼は8カ月連続の減少、電炉鋼は15カ月連続の増加となった。

12月の鋼種別生産では、普通鋼が661.1万トンと前月比0.2%減、前年同月比1.5%減、特殊鋼が210.8万トンと前月比1.3%増、前年同月比5.5%増となり、前年同月比で普通鋼は3カ月連続の減少、特殊鋼は2カ月連続の増加となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は589.4万トンと前月比0.5%減、前年同月比1.5%減となり、前年同月比では3カ月連続の減少となった。10~12月では1,793.8万トンと前年同期比2.5%減となった。

12月の品種別では条鋼類が146.7万トン、前月比7.6%減、前年同月比3.1%減で、前年同月比では4カ月振りの減少となった。鋼板類は438.5万トンで前月比2.3%増、前年同月比1.2%減となり、前年同月比では3カ月連続の減少となった。

主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が364.7万トンと前月比5.9%増で、前年同月比0.4%の微増。冷延広幅帯鋼が144.9万トンと前月比4.5%、前年同月比6.5%のともに減。鋼板が76.9万トンと前月比8.9%、前年同月比4.7%のともに減。小形棒鋼が66.7万トンと前月比11.4%の2桁減で、前年同月比も3.5%減。H形鋼が32.0万トンと前月比3.4%、前年同月比1.6%のともに減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が173.3万トンと前月比0.6%の微現だが、前年同月比5.7%増。冷延広幅鋼帯が24.7トンと前月比5.0%減だが、前年同月比12.0%の2桁増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が36.4万トンと前月比5.4%減だが、前年同月比4.6%増。特殊鋼が13.7トンと前月比0.6の微増だが%、前年同月比21.7%の大幅減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が85.9万トンと前月比4.4%、前年同月比7.7%のともに減となった。

【12月の鉄鋼出荷】

12月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が187.9万トンと前月比5.1%、前年同月比4.0%のともに増。鋼板が82.4万トンと前月比2.7%減だが、前年同月比1.6%増。小形棒鋼が68.3万トンと前月比6.6%減で、前年同月比0.2%の微減。H形鋼が32.4万㌧と前月比4.2%減だが、前年同月比5.5%増。冷延広幅帯鋼が58.2万トンと前月比5.3%減だが、前年同月比4.5%増となった。

特殊鋼では熱間圧延鋼材が130.6万トンと前月比0.4%の微増で、前年同月比7.5%増。冷延広幅帯鋼が23.6万トンと前月比9.3%減だが、前年同月比18.9%の2桁増となった。

熱間鋼管では普通鋼が31.9万トンと前月比5.6%減だが、前年同月比1.9%増。特殊鋼が10.8万トンと前月比35.9%、前年同月比28.9%のともに大幅減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が89.3万トンと前月比7.8%減だが、前年同月比1.3%増となった。

【121月の石油生産】

12月の石油製品の生産を油種別にみると、重油が302.5万㎘と前月比19.2%の2桁増だが、前年同月比2.0%減。ガソリンが479.1万㎘で前月比5.3%増だが、前年同月比2.3%減。軽油が383.5万㎘と前月比10.8%の2桁増で、前年同月比も8.2%増。全国的な寒波で需要期の灯油が201.8万㎘と前月比30.6%の大幅増だが、前年同月比2.7%減。ナフサが155.7万㎘と前月比6.2%減で、前年同月比19.8%の2桁減。ジェット燃料油が98.1万㎘と前月比8.3%、前年同月比9.4%のともに減。液化石油ガスが36.6万トンと前月比6.8%、前年同月比5.8%のともに増。アスファルトが31.8万トンと前月比31.4%の大幅増で、前年同月比0.2%微増。潤滑油が18.4万㎘と前月比12.3%、前年同月比17.9%のともに2桁減となった。

【12月の石油出荷】

12月の石油製品の出荷を油種別にみると、重油が318.5万㎘と前月比19.4%の2桁増だが、前年同月比1.1%減。ガソリンが506.4万㎘と前月比11.5%の2桁増で、前年同月比も2.1%増。軽油が390.5万㎘と前月比5.6%、前年同月比6.6%のともに増。灯油が244.6万㎘と前月比29.0%の大幅増で、前年同月比2.7%増。ナフサが397.7万㎘と前月比1.2%、前年同月比2.6%のともに減。ジェット燃料油が101.4㎘と前月比11.0%、前年同月比11.4%のともに2桁減。液化石油ガスが48.4万トンと前月比9.7%、前年同月比6.7%のともに増。アスファルトが20.7万トンと前月比16.8%の2桁増で、前年同月比も2.4%増。潤滑油が20.9万㎘と前月比25.0%の大幅減で、前年同月比も14.0%の2桁減となった。

【12月のコークス・石灰石】

12月のコークスの生産は273.3万トンと前月比3.1%増だが、前年同月比3.0%減。出荷は70.8万トンと前月比6.6%、前年同月比2.4%のともに増となった。

12月の石灰石の生産は1,243.6万トンと前月比0.5%、前年同月比0.3%のともに微増。出荷は992.8万トンと前月比0.8%の微減だが、前年同月比1.2%増を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成29年12月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成29年12月 Excel

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