No.752: 生産 年間最高水準に上昇 経産省 12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.753: 製造工業生産予測調査〜製造業の生産計画
No.754: 生産 13カ月連続前年同月比減 エネ庁 12月の石油統計速報発表
No.755: 鋼材生産 4カ月連続減 燃料油生産 前年同月比13カ月連続減 経産省12月の生産動態統計速報発表

平成31年2月5日(火)Vol.752

生産 年間最高水準に上昇

経産省 12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は1月31日、平成30年12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、12月の生産は2カ月連続の前月比低下となったものの、低下は小幅にとどまった。第4四半期(10〜12月)の指数値は、自然災害の影響があった第3四半期(7〜9月)から回復し、年間での最高水準に上昇し、平成30年通年でみても前年同月比上昇となった。

12月生産は0.1%低下

12月の鉱工業生産は、季節調整済指数104.7、前月比0.1%低下と、2カ月連続の前月比低下になった。自然災害の影響のあった同年第3四半期の指数値が103.1で、その前の期の同年第2四半期の指数値が104.5であったことから考えると、12月の生産指数の水準は高くなっている。

速報段階ではあるが、同年第4四半期でも指数値は105.1となり、第4四半期の鉱工業生産は、平成30年で最も高い水準となった。通年でみても、平成30年の指数値は104.1、前年同月比1.0%増と、前年の平成29年に続き前年同月比上昇との結果になった。

12月生産は6業種が前月比低下

12月の鉱工業生産を業種別にみると、6業種が前月比低下、9業種が前月比上昇となった。鉱工業生産全体は、2カ月連続の前月比マイナスではあるが、各業種の動きに、連続して生産低下の業種が少なく、11月に生産が上昇した業種の多くで12月に生産が低下した一方、11月に生産が低下した業種の多くで12月に生産が上昇しており、これらの結果として12月は生産が若干減となっていた。

生産の低下寄与の大きかった業種としては、生産用機械工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)、電子部品・デバイス工業が挙げられる。

生産用機械工業では印刷機械、半導体製造装置等の低下寄与が大きくなっていた。化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)では乳液・化粧水類、日焼け止め・日焼け用化粧品等で低下寄与が大きくなっていた。その他、電子部品・デバイス工業では2カ月連続の低下となった。

他方、上昇寄与業種としては、汎用・業務用機械工業、自動車工業、電気・情報通信機械工業が挙げられる。汎用・業務用機械工業は前月、大きく低下していたが、12月はその反動もあり、上昇することとなった。また、自動車工業は3カ月連続の上昇となった。

出荷は前月比上昇

12月の鉱工業出荷は、指数値103.6、前月比0.3%上昇と2カ月振りの前月比上昇となった。指数レベルも平成30年では4月、10月に次いで、6月と並ぶ高水準となっている。

出荷の上昇寄与の大きかった業種としては自動車工業、汎用・業務用機械工業、輸送機械工業(自動車工業を除く)などの業種が挙げられる。自動車工業では、普通乗用車等の出荷が上昇したことで、12月が年間を通して4月に次ぐ高い水準となった。汎用・業務用機械工業では、一般用蒸気タービン等が上昇に寄与した。その他、輸送機械工業(自動車工業を除く)でも、11月は前月比で低下したものの、12月は上昇することになった。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財の出荷は前月比0.1%上昇、最終需要財の出荷は前月比0.1%低下だった。

生産財については鉱工業生産の低下もあり、鉱工業用生産財が前月比0.3%低下したものの、その他用生産財が前月比2.9%の上昇をみせ、前月比上昇に寄与した。

最終需要財については、耐久消費財の出荷が上昇したものの、非耐久消費財や資本財(輸送機械を除く)、建設財で出荷が低下し、全体では出荷は僅かながら低下することになった。

在庫は前月比上昇

12月の鉱工業在庫は、指数値102.4、前月比1.0%上昇と2カ月連続の前月比上昇となり、12月の業種別の在庫では、10業種の在庫が前月比上昇となった。業種別には電気・情報通信機械工業、鉄鋼・非鉄金属工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)の在庫上昇の影響が大きくなっている。

基調判断「生産 緩やかな持ち直し」

12月の鉱工業生産は、2カ月連続の前月比マイナスだった。12月初旬の企業の生産計画の集計結果からは、上方バイアスを補正すると前月比0.7%の低下が想定されていたが、12月実績値は上記の想定ほどは低下せず、前月比で0.1%の若干の低下にとどまった。

四半期ベースでみれば、第4四半期は自然災害の影響で生産が低下した第3四半期のみならず、第2四半期の水準も上回り、平成30年で最高水準となっており、12月までのところでは、上昇基調が続いていると考えられる。

先行きについて企業の生産計画の集計値そのままをみれば、1月の生産が前月比で若干の低下、2月が前月比で上昇となっている。企業の生産計画の上方バイアスを考えれば、実際には1月はさらに低下するものと想定されるが、2月以降この低下分を回復するか、注視していきたい。

これらの結果を踏まえ、12月の鉱工業生産の基調判断については、「生産は緩やかな持ち直し」に据え置きたい。

バックナンバー>>

平成31年2月5日(火)Vol.753

製造工業生産予測調査〜製造業の生産計画

主要企業の生産計画を調査した製造工業生産予測調査によると、12月は前月比2.2%の上昇、1月は同0.8%の低下見込み。

12月の上昇業種は生産用機械工業、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業等。1月の低下業種は輸送機械工業、汎用・業務用機械工業、金属製品工業等。

製造工業生産予測調査(生産計画から見る生産動向)

(季節調整済前月比)

2019年1月見込み 2019年2月見込み
2019年1月調査(今回) -0.1 2.6
2018年12月調査(前回) -0.8

(%) 2015年=100

予測指数の補正値試算

製造工業生産予測指数を補正した試算値は、1月は2.3%の低下見込み。12月の試算値は0.7%低下であったが、鉱工業指数の12月の前月比は0.1%低下であった。

製造工業生産予測指数の試算値(季節調整済前月比 %)

試算値 予測調査結果
1月前月比 -2.3(-3.3 ~ -1.4) -0.1

2015年=100

上段の数値が、最も可能性の高い値(最頻値)。最頻値とならない場合でも、( )の幅の中に90%の確率で収まるという計算結果になっている。

バックナンバー>>

平成31年2月5日(火)Vol.754

生産 13カ月連続前年同月比減

エネ庁 12月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は1月31日、平成30年12月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

原油の動向

12月の原油輸入量は1,476万㎘、前年同月比85.0%と2カ月連続で 前年を下回った。輸入量の多い順にみると次の通り。

(1)サウジアラビア(627万㎘、前年同月比89.9%)

(2)アラブ首長国連邦(362万㎘、同80.6%)

(3)カタール(140万㎘、同113.6%)

(4)アメリカ合衆国(98万㎘、同388.8%)

(5)クウェート(80万㎘、同70.2%)となっている。

12月の中東依存度は86.7%、前年同月比0.3ポイント減と4カ月連続で前年を下回った。

燃料油の生産

燃料油の生産は1,528万㎘、前年同月比94.2%と13カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は324万㎘、前年同月比99.8%と4カ月振りに前年を下回った。輸出は292万㎘、前年同月比93.2%と前年を2カ月連続で下回った。

燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,643万㎘、前年同月比94.6%と2カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

燃料油の在庫

燃料油の在庫は1,007万㎘、前年同月比111.3%と2カ月連続で前年を上回った。油種別にみると、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン及びジェット燃料油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成30年12月 Excel

バックナンバー>>

平成31年2月5日(火)Vol.755

鋼材生産 4カ月連続減

燃料油生産 前年同月比13カ月連続減

経産省12月の生産動態統計速報発表

経済産業省は1月31日、平成30年12月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は846.3万トンと前月比2.3%、前年同月比3.0%のともに減となり、前年同月比では4カ月連続の減となった。

また、石油製品生産量は燃料油計が1,527.5万㎘と前月比7.9%増だが、前年同月比5.8%の減となり、前年同月比では13カ月連続の減となった。

【12月の鉄鋼生産】

銑鉄生産は618.3万トンと前月比2.2%、前年同月比6.0%のともに減となり、前年同月比では4カ月連続の減少となった。

粗鋼生産は846.7万トンと前月比2.2%、前年同月比2.9%のともに減となり、前年同月比では4カ月連続の減少となった。12月の1日当たり粗鋼生産は27.3万トンで、11月の同28.9万トンと比べて5.4%減となった。

炉別生産では、転炉鋼が628.7万トンと前月比2.0%、前年同月比5.0%のともに減、電炉鋼が217.9万トンと前月比2.8%減だが、前年同月比3.7%増となった。前年同月比では転炉鋼は4カ月連続の減少、電炉鋼は2カ月連続の増加となった。

鋼種別生産では、普通鋼が645.7万トンと前月比0.9%の微減、前年同月比2.3%減、特殊鋼が201.0万トンと前月比6.2%、前年同月比ともに4.7%減となった。前年同月比では普通鋼は4カ月連続の減少、特殊鋼は3カ月振りの減少となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は756.9万トンと前月比0.9%の微減、前年同月比0.6%減となり、前年同月比では6カ月連続の減少となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は586.1万トンと前月比1.0%、前年同月比1.0%のともに減となり、前年同月比では2カ月振りの減少となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は170.8万トンと前月比0.5%減だが、前年同月比1.0%増となり、前年同月比では2カ月振りの増加となった。

主要品種の生産内訳をみると普通鋼では、鋼帯が340.2万トンと前月比1.1%、前年同月比6.7%のともに減。冷延広幅帯鋼が148.7万トンと前月比0.3%の微減だが、前年同月比2.6%増。鋼板が93.8万トンと前月比6.7%増で、前年同月比22.0%の大幅増。小形棒鋼が70.4万トンと前月比5.5%減だが、前年同月比5.2%増。H形鋼が32.2万トンと前月比4.3減だが、前年同月比0.5%の微増。冷延電気鋼帯が11.2万トンと前月比0.8%の微増だが、前年同月比7.4%減。線材が14.3万トンと前月比5.4%増だが、前年同月比0.3%の微減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が171.6万トンと前月比横這いだが、前年同月比1.5%増。冷延広幅鋼帯が24.1トンと前月比8.1%、前年同月比3.4%のともに減となった。

熱間鋼管では、普通鋼が36.9万トンと前月比7.9%減だが、前年同月比1.2%増。特殊鋼が11.6トンと前月比25.6%の大幅減で、前年同月比も15.2%の2桁減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が87.5万トンと前月比0.9%の微減だが、前年同月比1.9%増となった。

【12月の鉄鋼出荷】

12月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が162.1万トンと前月比5.7%減で、前年同月比も13.7%の2桁減。冷延広幅帯鋼が54.9万トンと前月比6.1%、前年同月比5.6%のともに減。鋼板が89.3万トンと前月比1.3%、前年同月比8.3%のともに増。小形棒鋼が67.8万トンと前月比9.8%減で、前年同月比0.7%の微減。H形鋼が30.2万㌧と前月比11.9%の2桁減で、前年同月比も6.7%減。線材が13.1万トンと前月比6.7%、前年同月比2.5%のともに減となった。

特殊鋼では熱間圧延鋼材が118.9万トンと前月比7.8%、前年同月比9.0%のともに減。冷延広幅帯鋼が22.0万トンと前月比13.5%の2桁減で、前年同月比も6.6%減となった。

熱間鋼管では普通鋼が32.0万トンと前月比8.6%減だが、前年同月比0.4%の微増。特殊鋼が11.8万トンと前月比3.3%減だが、前年同月比9.7%増となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が84.8万トンと前月比11.9%の2桁減で、前年同月比も5.0%の減となった。

【12月の石油生産】

12月の石油製品の生産を油種別みると、重油が261.6万㎘と前月比0.7%の微増だが、前年同月比13.5%の2桁減。ガソリンが462.0万㎘と前月比11.6%の2桁増だが、前年同月比3.6%減。軽油が378.7万㎘と前月比11.1%の2桁増だが、前年同月比1.3%減。灯油が163.8万㎘と前月比22.2%の大幅増だが、前年同月比18.8%の2桁減。ナフサが150.7万㎘と前月比2.1%増だが、前年同月比3.2%減。ジェット燃料油が110.7万㎘と前月比7.6%減だが、前年同月比12.8%の2桁増。液化石油ガスが24.5万トンと前月比30.4%の大幅減で、前年同月比も14.9%の2桁減。アスファルトが32.4万トンと前月比77.6%の大幅増で、前年同月比も1.8%増。潤滑油が18.6万㎘と前月比8.0%減だが、前年同月比1.2%増となった。

【12月の石油出荷】

12月の石油製品の出荷をみると、燃料油計で1,842.5万㎘と前月比12.2%の2桁増だが、前年同月比6.0%減となった。油種別では重油が250.8万㎘と前月比5.3%減で、前年同月比21.3%の大幅減。ガソリンが484.6万㎘と前月比15.5%の2桁増で、前年同月比4.3%減。軽油が390.4万㎘と前月比19.7%の大幅増で、前年同月比横這い。灯油が204.8万㎘と前月比44.4%の大幅増だが、前年同月比16.3%の2桁減。ナフサが397.0万㎘と前月比3.4%増だが、前年同月比0.2%の微減。ジェット燃料油が114.9万㎘と前月比7.8%増で、前年同月比13.4%の2桁増。液化石油ガスが46.4万トンと前月比9.7%増だが、前年同月比4.3%減。アスファルトが15.4万トンと前月比12.2%の2桁減で、前年同月比も25.6%の大幅減。潤滑油が21.4万㎘と前月比8.9%、前年同月比2.1%のともに増となった。

【12月のコークス・石灰石】

12月のコークスの生産は276.2万トンと前月比4.5%、前年同月比1.1%のともに増。出荷は75.5万トンと前月比0.4%の微増で、前年同月比6.7%増となった。

12月の石灰石の生産は1,260.4万トンと前月比0.2%の微増で、前年同月比1.6%増。出荷は988.9万トンと前月比2.6%減で、前年同月比0.2%微減を示した。

※添付資料

鉄鋼主要製品統計速報 平成30年12月分 Excel

資源エネルギー統計速報 平成30年12月分 Excel

バックナンバー>>