No.763: 生産 前月比0.9%低下 3月の経産省 3月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.764: 燃料油販売 5カ月連続前年比減 エネ庁 3月の石油統計速報発表
No.764: 鋼材生産 7カ月連続前年比減 燃料油生産 15カ月振り前年比増 経産省3月の生産動態統計速報発表

令和1年5月15日(水)Vol.763

生産 前月比0.9%低下

3月の経産省 3月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は4月26日、3月の鉱工業・生産出荷・在庫速報を発表した。それによると、3月は生産が前月比0.9%低下し3月は前年同月比0.9%低下し出荷も低下。在庫は上昇した。この結果、経産省では基調判断を「生産はこのところ弱含み」「生産はこのところ弱含み」と下方修正した。

3月の鉱工業生産は、季節調整済指数101.9、前月比0.9%減と、2カ振りの前月比低下となった。2月は前月比0.7%上昇だったが、そこからの0.9%と低下はしたものの、前月の上昇の反動の面も考えられる。ただ、昨年第4四半期の指数値が105.0だったので、それからみると3月の生産指数の水準は大分低くなっており、昨年の最低値である1月の指数値101.4以来の低水準となっている。

また、四半期ベースでみると第1四半期(1〜3月)の指数値が速報ベースで102.3となり、昨年第1四半期の指数値103.5や、自然災害の影響もあった2018年第3四半期の指数値103.6を下回り、一昨年第1四半期の指数値101.3以来の水準に低下している。本年1月に鉱工業生産は102.1まで大きく低下したが、その水準から抜け出せていない様相である。

3月生産 7業種が前月比低下

3月の鉱工業生産を業種別にみると7業種が前月比低下、8業種が前月比上昇となった。2月は9業種が前月比で上昇したが、3月の低下業種には2月に前月比で上昇した業種の多くが反動で低下の面もみられた。

3月は自動車工業、生産用機械工業等の低下が大きく寄与した。元々自動車工業は企業の生産計画でも2月の反動減もあり、3月の低下は予想されていたが、計画より低下幅が大きくなった。他方、生産用機械工業は3月、計画値で上昇が予想されていたが、実際は大きく低下した。特に半導体製造装置やフラットパネル・ディスプレイ製造装置の低下が大きく寄与した。

他方、上昇寄与業種としては電子部品・デバイス工業、汎用・業務用機械工業、無機・有機化学工業等が挙げられる。特に電子部品・デバイス工業は、2月までの4カ月連続低下から3月は大きく反発し上昇に転じた。これらの業種も、生産全体を上昇に導くほどの力強い上昇ではなかった。

出荷も前月比低下

3月の鉱工業出荷は指数値101.6、前月比マイナス0.6%と2カ月振りの前月比低下となった。

出荷も生産と同様に2月の上昇からの反動減の動きと考えられるが、生産の低下と比べると出荷は、前月の上昇幅を打ち消すほどの前月比低下ではなかった。指数値はここ最近の水準でみれば、自然災害の影響もあって出荷が低下していた昨年第3四半期の102.4より低く、出荷が水準として昨年より低下していることが見受けられる。

業種別にみると9業種が前月比低下、6業種が前月比上昇となった。2月は10業種で前月比上昇したが、3月は2月に前月比で上昇した業種の多くが低下という姿になった。

出荷の低下に関して低下寄与の大きさでは、自動車工業と生産用機械工業の低下寄与が特に大きくなっていた。他方、上昇寄与業種としては、電子部品・デバイス工業、無機・有機化学工業、電気・情報通信機械工業等が挙げられる。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、最終需要財の出荷は前月比1.3%の低下で、生産財の出荷は前月比0.2%の上昇だった。

2月は上昇した最終需要財の出荷が3月に再び低下に転じることとなった。3月の出荷低下に関しては、最終需要財の中で耐久消費財や資本財(除.輸送機械)、非耐久消費財、建設財の順に低下していた。逆に生産財の中でも鉱工業用生産財の出荷は1月、2月と連続で低下していたが、3月は上昇に転じた。鉱工業用生産財の上昇については、モス型半導体集積回路(メモリ)等、これまで低下傾向にあった品目の反動も影響した。

在庫は上昇

3月の鉱工業在庫は指数値104.0、前月比1.6%の上昇と、2カ月連続の前月比上昇となった。企業は生産を低下させてはいるが、出荷も低下したため、在庫は上昇することになった。この在庫指数値は、2015年基準で最高水準の指数値となっている。

また、在庫循環図でみると本年1〜3月の生産水準が大きく低下したことにより、在庫調整局面に進んだ。

3月の在庫の上昇は、工場の定修や修繕工事のスケジュール等による一時的なものもあり、また、経産省では在庫循環図をみるに当たっても、企業が在庫を増やさないよう、これまで生産調整を行ってきた結果が表れている可能性もあるが、この在庫上昇が今後の生産に影響を与えないかどうかについては、引き続き注意してみていきたいとしている。

基調判断 下方修正

3月の鉱工業生産は、2カ月振りの前月比低下だった。3月初旬の企業の生産計画の段階のデータでは上昇が想定されていたが、3月実績値は上記の想定より低下し、前月比で0.9%減と、やや大きめの低下となった。指数水準としては、昨年の最低値である1月の指数値101.4以来の低水準となっている。

また、四半期ベースでは本年第1四半期の指数値が速報ベースで102.3となり、前期比2.6%の大幅な低下となった。昨年第1四半期の指数値103.5や、自然災害の影響もあった昨年第3四半期の指数値103.6を下回り、一昨年第1四半期の指数値101.3以来の水準に低下している。

本年1月に鉱工業生産は102.1まで大きく低下したが、その水準から抜け出せていない様相で、足下の基調は上昇基調というよりは、やや弱さも感じられるようになってきている。

先行きについては、企業の生産計画の集計値そのままをみれば4月、5月の生産が前月比で上昇となっている。特に5月の生産はほぼ全ての業種で上昇し、前月比3.6%と大幅な上昇計画になっている。企業の生産計画の上方バイアスを考えれば、実際には4月は低下が想定されるところだが、5月の計画値の高さをみると、現時点では判断が難しいところではあるものの、5月は上昇することも考えられる。経産省では本年4月、5月は連休が例年より長いこともあり、例年の傾向が今後の実績にどれほど当てはまるかにはやや注意が必要だとしている。

このように先行きには不確定要素もあるが、経産省では3月の鉱工業生産の基調判断については足下の状況を踏まえ、「生産はこのところ弱含み」に引き下げ、先行きを注視していきたいとしている。

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令和1年5月15日(水)Vol.764

燃料油販売 5カ月連続前年比減

エネ庁 3月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は4月26日、3月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

3月の原油輸入量は1,583万㎘、前年同月比99.8%と前年を下回った。輸入量の多い順にみると次の通り。

(1)サウジアラビア(627万㎘、前年同月比99.0%)

(2)アラブ首長国連邦(347万㎘、同83.9%)

(3)イラン(144万㎘、同148.8%)

(4)カタール(140万㎘、同92.6%)

(5)クウェート(107万㎘、同108.6%)となっている。

なお、今月の中東依存度は90.5%、前年同月に比べ0.8ポイント減と前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,495万㎘、前年同月比97.4%と前年を下回った。油種別にみるとナフサ、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は232万㎘、前年同月比68.8%と3カ月連続で前年を下回った。輸出は297万㎘、前年同月比109.7%と3カ月連続で前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,467万㎘、前年同月比97.1%と5カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ナフサ及びジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は859万㎘、前年同月比97.8%と7カ月振りに前年を下回った。油種別にみるとガソリン、ジェット燃料油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ及び灯油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成31年3月 Excel

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令和1年5月15日(水)Vol.765

鋼材生産 7カ月連続前年比減

燃料油生産 15カ月振り前年比増

経産省3月の生産動態統計速報発表

経済産業省は4月26日、3月の生産動態統計速報を発表した。それによると、年度末だけに日数の少ない前月比では多くが増加をみせているものの、景気後退傾向から前年同月比では多くの品目が減少をみせている。

まず、粗鋼生産量は908.4万トンと前月比17.3%の2桁増だが、前年同月比では微減となり、前年同月比では6カ月連続の減となった。

また、石油製品生産量は燃料油計が1,494.7万㎘と前月比6.0%増だが、前年同月比2.6%減となった。

【3月の鉄鋼生産】

銑鉄生産は667.5万トンと前月比18.8%増、前年同月比0.5%減となり、前年同月比では7カ月連続の減少となった。粗鋼生産は908.4万トンと前月比17.3%増、前年同月比微減となり、前年同月比では7カ月連続の減少となった。3月の1日当たり粗鋼生産は29.3万トンで、2月の同27.7万トン比5.9%増だった。

炉別生産では、転炉鋼が678.2万トンと前月比19.6%増、前年同月比微増、電炉鋼が230.2万トンと前月比11.1%増、前年同月比0.1%減となり、前年同月比では転炉鋼は7カ月振りの増加、電炉鋼は2カ月振りの減少となった。

鋼種別生産では、普通鋼が685.0万トンと前月比19.2%増、前年同月比0.2%増、特殊鋼が223.5万トンと前月比11.7%増、前年同月比0.6%減となり、前年同月比では普通鋼は7カ月振りの増加、特殊鋼は4カ月連続の減少となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は791.0万トンと前月比13.9%増、前年同月比3.2%減となり、前年同月比では9カ月連続の減少となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は612.7万トンと前月比14.5%増、前年同月比3.1%減となり、前年同月比では4カ月連続の減少となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は178.3万トンと前月比11.9%増、前年同月比3.3%減となり、前年同月比では3カ月連続の減少となった。

主要品種の生産内訳をみると普通鋼では、鋼帯が356.1万トンと前月比18.8%2桁増だが、前年同月比6.7%減。冷延広幅帯鋼が157.4万トンと前月比13.6%の2桁増だが、前年同月比3.4%減。鋼板が91.0万トンと前月比8.0%、前年同月比8.5%のともに増。小形棒鋼が76.6万トンと前月比11.7%の2桁増で、前年同月比も2.7%増。H形鋼が36.9万トンと前月比12.8%の2桁増で、前年同月比も2.0%増。冷延電気鋼帯が11.2万トンと前月比5.2%増だが、前年同月比7.7%減。線材が14.6万トンと前月比6.9%、増だが、前年同月比2.0%減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が178.4万トンと前月比12.0%の2桁増だが、前年同月比3.2%減。冷延広幅鋼帯が26.1トンと前月比11.8%の2桁増だが、前年同月比5.0%減となった。

熱間鋼管では、普通鋼が37.4万トンと前月比0.1%の微減で、前年同月比も4.0%減。特殊鋼が15.0トンと前月比4.0%、前年同月比3.3%のともに減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が94.7万トンと前月比17.4%の2桁増だが、前年同月比も3.6%減となった。

【3月の鉄鋼出荷】

3月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が170.8万トンと前月比25.2%の大幅増だが、前年同月比8.8%減。冷延広幅帯鋼が59.6万トンと前月比23.1%の大幅増だが、前年同月比5.2%減。鋼板が93.8万トンと前月比4.9%、前年同月比6.3%のともに増。小形棒鋼が77.9万トンと前月比14.1%の2桁増で、前年同月比も2.5%増。H形鋼が37.5万㌧と前月比14.8%の2桁増で、前年同月比0.3%の微増。線材が14.1万トンと前月比4.5%増だが、前年同月比1.7%減となった。

特殊鋼では熱間圧延鋼材が125.8万トンと前月比8.1%増だが、前年同月比12.5%の2桁減。冷延広幅帯鋼が24.3万トンと前月比11.0%の2桁増だが、前年同月比5.3%減となった。

熱間鋼管では普通鋼が36.8万トンと前月比15.3%の2桁増で、前年同月比4.1%増。特殊鋼が12.8万トンと前月比12.8%、前年同月比14.2%のともに2桁減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が93.7万トンと前月比8.2%増だが、前年同月比4.0%減となった。

【3月の石油生産】

3月の石油製品の生産を油種別みると、重油が257.4万㎘と前月比5.3%増だが、前年同月比15.0%の2桁減。ガソリンが434.0万㎘と前月比8.6%増だが、前年同月比2.4%減。軽油が364.2万㎘と前月比7.0%、前年同月比6.2%のともに増。季節需要を終えた灯油が123.1㎘と前月比18.2%、前年同月比25.3%のともに大幅減。ナフサが170.3万㎘と前月比4.2%、前年同月比4.4%のともに増。ジェット燃料油が145.8万㎘と前月比30.9%、前年同月比25.4%のともに大幅増。液化石油ガスが33.1万トンと前月比5.6%増だが、前年同月比8.9%減。アスファルトが29.6万トンと前月比13.7%、前年同月比13.3%のともに2桁増。潤滑油が21.5万㎘と前月比23.2%の大幅増で、前年同月比も4.4%増となった。

【3月の石油出荷】

3月の石油製品の出荷をみると、燃料油計で1,728.3万㎘と前月比3.9%増だが、前年同月比2.1%減となった。油種別では重油が249.1万㎘と前月比1.9%減で、前年同月比20.6%の大幅減。ガソリンが440.6万㎘と前月比7.3%増だが、前年同月比3.6%減。軽油が385.2万㎘と前月比7.3%、前年同月9.4%のともに増。灯油が136.5万㎘と前月比27.5%、前年同月比21.0%ともに大幅減。ナフサが382.6万㎘と前月比14.9%の2桁増で、前年同月比も5.5%増。ジェット燃料油が134.2万㎘と前月比12.9%の2桁増で、前年同月比も25.9%の大幅増。液化石油ガスが46.1万トンと前月比1.3%増だが、前年同月比3.8%減。アスファルトが21.7万トンと前月比19.8%の2桁増で、前年同月比も8.5%増。潤滑油が22.0万㎘と前月比11.1%の2桁増で、前年同月比1.2%増となった。

【3月のコークス・石灰石】

3月のコークスの生産は283.8万トンと前月比13.6%の2桁増で、前年同月比も2.5%増。出荷は72.3万トンと前月比3.6%減で、前年同月比も0.5%の微減となった。

3月の石灰石の生産は1,251.3万トンと前月比10.5%の2桁増だが、前年同月比0.7%の微減。出荷は998.0万トンと前月比8.9%増だが、前年同月比0.8%の微減となった。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成31年3月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成31年3月 Excel

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