No.819:生産 回復基調続く 経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.820:販売 2カ月連続の前年同月比増 エネ庁 4月の石油統計速報発表
No.821:粗鋼2カ月連続増、燃料油17カ月減 経産省 4月の生産動態統計速報発

令和3年6月23日(水)Vol.819

生産 回復基調続く

経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は5月31日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

4月生産2カ月連続前月比増

4月の鉱工業生産は、季節調整済指数99.6、前月比2.5%と、2カ月連続での上昇となった。

これまでの生産については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、本年2月から5月まで大幅に低下した後、6月以降一転、回復基調が続いている。本年2月は一時的に低下となったが、3月は再び上昇となり、4月も連続での上昇となった。

その結果、本年4月の生産水準は、感染症拡大前の昨年1月(指数値99.1)を上回り、消費税率引き上げ前の一昨年9月(指数値102.4)以来の水準にまで回復した。

12業種前月比増、3業種減

4月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、12業種が前月比上昇、3業種が前月比低下という結果だった。

4月は、半導体不足の影響などを受けて、自動車工業等が低下に寄与したものの、内外での設備投資の回復やIT関連需要の増加などから、汎用・業務用機械工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業等が上昇に寄与した。

主な上昇寄与業種についてみると、まず、上昇寄与の最も大きかった汎用・業務用機械工業は、前月比16.1%の上昇で、2カ月振りの上昇だった。一般用蒸気タービン、空気圧機器、ポンプ等が上昇要因となっている。海外需要の高まりを受けて、生産増になったと考えられる。

上昇寄与2位の電気・情報通信機械工業は、前月比10.9%の上昇で、3カ月振りの上昇だった。無線通信機器や電池等が主な上昇要因となっている。国内向け情報通信設備の需要増加や、海外向け車載用電池の需要増加などが背景にあったと考えられる。

上昇寄与3位の生産用機械工業は、前月比7.8%の上昇で、2カ月振りの上昇だった。半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置や建設・鉱山機械等が上昇要因となっている。世界的な半導体関連の製造設備需要の増加や、海外向け建設・鉱山関連機械の需要増加などが背景にあったと考えられる。

出荷 2カ月連続増

4月の鉱工業出荷は、季節調整済指数97.3、前月比2.6%と、2カ月連続での上昇となりました。

業種別にみると、全体15業種のうち11業種が上昇、4業種が低下となった。

上昇寄与業種としては、寄与度の大きい順に電気・情報通信機械工業、生産用機械工業、汎用・業務用機械工業等となっている。上昇寄与1~3位の業種については、生産と同様となっている。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、資本財(輸送機械除く)が前月比15.2%と大幅な上昇であったとことに加え、建設財は2.7%の上昇、非耐久消費財は1.4%の上昇、生産財は1.1%の上昇と、耐久消費財を除き上昇となった。

特に、資本財(輸送機械除く)では、海外での設備投資需要の高まりなどを受けて大幅な上昇となった。

在庫 2カ月振り減

4月の鉱工業在庫は季節調整済指数94.7、前月比マイナス0.1%と、2カ月振りの低下になった。現在の基準内で2番目に低い水準となっている。

業種別にみると、15業種のうち12業種が低下、3業種が上昇となった。

在庫率 3カ月振り低下

4月の鉱工業在庫率は季節調整済指数108.0、前月比マイナス1.8%と、3カ月振りの低下となった。一昨年5月以来の低い水準となっている。

業種別にみると、15業種のうち11業種が低下、4業種が上昇となった。特に、電気・情報通信機械工業は低下寄与が大きくなっている。

在庫循環図をみると、昨年第4四半期(10〜12月)と本年第1四半期(1〜3月)は、「意図せざる在庫減局面」にあり、景況感の改善を眺めつつ、本年第2四半期(4〜6月)には、「在庫積み増し局面」に向かう動きにあると考えられる。

ただし、生産前年同期比(横軸)については、2020年の生産水準が、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく低下していることから、その点には留意が必要と考えています。

4月生産基調 「持ち直し」に据置

4月の鉱工業生産は、前月比2.5%の上昇となった。生産は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年2月から5月まで低下が続いた後、6月以降は一転、回復傾向が続いている。本年2月は一時的に低下したものの、3月は再び上昇となり、4月も上昇が継続した。

この背景には、世界的な半導体不足の影響などから、4月の生産が自動車工業等で低下したものの、半導体関連の製造設備需要の増加に加えて、他の設備投資の回復やIT関連需要の増加が継続したことなどから、電気・情報通信機械工業や生産用機械工業、汎用・業務機械工業等で上昇したことがあると考えられる。

一方、先行きに関しては、企業の生産計画で5月低下、6月上昇となっている。生産は上下の振れはありつつも、均してみれば引き続き回復傾向にあると考えられる。

こうした状況を踏まえ、経産省では「鉱工業生産の4月の基調判断については、“生産は持ち直している”に据え置きたい」としている。

他方、先行きは半導体不足による影響や、変異タイプの新型コロナウイルス感染症の拡大による内外経済の下振れリスクなどについて、引き続き注視していく必要がある。

製造工業生産予測指数

製造業の生産計画

経産省は4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報とともに、主要企業の5月と6月の生産計画を調査し発表した。

※本年4月調査から年間補正により、製造工業生産予測指数の一昨年12月の翌月見込み及び昨年1月以降のデータ(原指数、季節調整済指数、季節指数)を更新している。

生産 5月減、6月増予測

主要企業の生産計画を調査した製造工業生産予測調査によると、5月は前月比1.7%の低下、6月は同5.0%の上昇見込み。

5月の低下業種は輸送機械工業、その他、パルプ・紙・紙加工品工業等。6月の上昇業種は輸送機械工業、その他、金属製品工業等だった。

製造工業生産予測指数(生産計画から見る生産動向)

2021年5月見込み 2021年6月見込み
2021年5月調査(今回) -1.7 5.0
2021年4月調査(前回) -4.3

製造工業生産予測指数の先行きを試算した補正値は、5月2.5%の低下見込みだった。4月の補正値は4.6%であったが、鉱工業生産指数の4月の前月比は2.5%であった。

製造工業生産予測指数の補正値(季節調整済前月比%)

補正値 予測調査結果
5月前月比 -2.5(-4.4~-0.6) -1.7

製造工業生産予測指数の先行きを試算した補正値は、5月2.5%の低下見込みだった。4月の補正値は4.6%であったが、鉱工業生産指数の4月の前月比は2.5%であった。

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令和3年6月23日(水)Vol.820

販売 2カ月連続の前年同月比増

エネ庁 4月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は5月31日、4月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

4月の原油輸入量は1,265万㎘、前年同月比96.1%と16カ月連続で前年を下回った。輸入量の多い順にみると次のようになっている。

(1)アラブ首長国連邦(498万㎘、前年同月比124.3%)

(2)サウジアラビア(425万㎘、同88.8%)

(3)カタール(121万㎘、同123.5%)

(4)クウェート(98万㎘、同64.2%)

(5)ロシア(41万㎘、同183.0%)

4月の中東依存度は91.8%で前年同月に比べ1.2ポイント増と前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,065万㎘、前年同月比95.2%と18カ月連続で前年を下回った。油種別にみるとガソリン、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。

3燃料油の輸入・輸出

燃料油の輸入は341万㎘、前年同月比129.8%と6カ月連続で前年を上回った。輸出は129万㎘、前年同月比86.1%と14カ月連続で前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,213万㎘、前年同月比105.5%と2カ月連続で前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は947万㎘、前年同月比100.2%と3カ月連続で前年を上回った。油種別にみると、ナフサ、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要速報 令和3年4月 Excel

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令和3年6月23日(水)Vol.821

粗鋼2カ月連続増、燃料油17カ月減

経産省 4月の生産動態統計速報発

経済産業省は5月31日、4月の生産動態統計速報を発表した。粗鋼生産量は781.8万トンと前月比6.0%減だが、前年同月比18.9%の2桁増となった。これで前年同月比では2カ月振りの増となった。主要鉄鋼製品前月比減だが、前年同月比大幅増が目立ち、鉄鋼生産に持ち直しがみられた。

また、石油製品生産量は燃料油計が1,065.0万㎘と前月比9.7%、前年同月比4.8%のともに減となり、前年同月比で18カ月連続の減となり、以前需要減退が続いている。

【4月の鉄鋼生産】

4月の銑鉄生産は567.7万トンと前月比7.1%減だが、前年同月比15.8%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。

粗鋼生産は781.7万トンと前月比6.0%減だが、前年同月比18.9%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。4月の1日当たり粗鋼生産は26.1万トンで、3月の同26.8万トン比2.9%減となった。

炉別生産では、転炉鋼が578.1万トンと前月比7.2%減だが、前年同月比20.4%増、電炉鋼が203.6万トンと前月比2.2%減だが、前年同月比14.8%増となり、前年同月比では転炉鋼、電炉鋼とも2カ月連続の増加となった。

鋼種別生産では、普通鋼が598.1万トンと前月比5.8%減だが、前年同月比15.0%増、特殊鋼が183.6万トンと前月比6.7%減だが、前年同月比33.6%増となり、前年同月比では普通鋼は2カ月連続、特殊鋼は2カ月連続のともに増となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は686.6万トンと前月比7.4%減だが、前年同月比16.9%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は531.6万トンと前月比7.3%減だが、前年同月比12.2%増となり、前年同月比では2カ月連続の増加となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は155.0万トンと前月比7.8%減だが、前年同月比36.5%増となり、前年同月比では4カ月連続の増加となった。

鋼種別では普通鋼が6,533.9万トンで前年同月比13.4%減、特殊鋼が1,745.4万トンで前年同月比24.1%減となり、前年同月比では普通鋼が7年連続の減少、特殊鋼が3年連続の減少となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は7,350.6万トンと前年比14.8%減で4年連続の減少となった。鋼種別にみると、普通鋼が5,869.7万トン(前年同月比13.5%減)、特殊鋼が1,480.9万トン(前年同月比19.8%減)となり、前年同㈪比では普通鋼は4年連続の減少、特殊鋼は2年連続の減少となった。

4月の主要品種の生産内訳をみると普通鋼では、鋼帯が324.0万トンと前月比8.0%減だが、前年同月比20.8%の大幅増。冷延広幅帯鋼が137.7万トンと前月比7.4%減だが、前年同月比30.1%の大幅増。鋼板が73.0万トンと前月比8.0%減だが、前年同月比2.4%増。小形棒鋼が64.5万トンと前月比0.8%の微減で、前年同月比も2.1%減。H形鋼が28.5万トンと前月比10.5%の2桁減で、前年同月比4.7%増。冷延電気鋼帯が11.9万トンと前月比2.9%増で、前年同月比30.1%の大幅増。線材が15.7万トンと前月比7.3%増で、前年同月比34.3%の大幅増となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が155.5万トンと前月比7.5%減だが、前年同月比36.9%の大幅増。冷延広幅鋼帯が24.6万トンと前月比5.6%減だが、前年同月比28.2%の大幅増。特殊鋼磨棒鋼・線類が18.3万トンと前月比4.3%減だが、前年同月比37.9%の大幅増となった。

鋼管では、普通鋼熱間鋼管が32.1万トンと前月比9.7%増で、前年同月比0.3%の微増。特殊鋼熱間鋼管が10.2万トンと前月比17.3%の2桁増だが、前年同月比31.5%の大幅増となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が81,5万トンと前月比8.2%減だが、前年同月比29.3%の大幅増となった。

【4月の鉄鋼出荷】

4月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼では鋼帯が150.2万トンと前月比16.5%の2桁減で、前年同月比も8.3%減。冷延広幅帯鋼が47.8万トンと前月比17.2%の2桁減だが、前年同月比15.1%の2桁増。鋼板が74.1万トンと前月比9.1%減だが、前年同月比0.8%の微増。H形鋼が26.6万トンと前月比19.5%の2桁減で、前年同月比も0.3%の微減。線材が14.2万トンと前月比10.4%の2桁減だが、前年同月比16.4%の2桁増となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が109.5万トンと前月比14.1%の2桁減だが、前年同月比35.7%の大幅増。冷延広幅帯鋼が20.9万トンと前月比18.0%の2桁減だが、前年同月比11.0%の2桁増。特殊鋼磨棒鋼・線類が17.4万トンと前月比3.1%減だが、前年同月比38.6%の大幅増となった。

鋼管では、普通鋼熱間鋼管が24.4万トンと前月比17.3%の2桁減だが、前年同月比7.7%増。特殊鋼熱間鋼管が8.5万トンと前月比3.8%増だが、前年同月比23.6%の大幅減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が78.5万トンと前月比14.8%と2桁減だが、前年同月比22.7%の大幅増となった。

【4月の石油生産】

4月の石油製品の生産を油種別みると、重油が216.7万㎘と前月比14.0%の2桁減で、前年同月比0.9%の微減。軽油が266.3万㎘と前月比8.4%、前年同月比9.5%のともに減。需要期を終えた灯油が66.1万㎘と前月比35.6%、前年同月比39.2%のともに大幅減。ナフサが104.8万㎘と前月比4.6%増だが、前年同月比15.7%の2桁減。ジェット燃料油が65.7万㎘と前月比19.5%の2桁増で、前年同月比39.2%の大幅増。液化石油ガスが27.2万トンと前月比3.9%、前年同月比5.9%のともに増。アスファルトが16.5万トンと前月比29.6%の大幅減で、前年同月比も6.0%減。潤滑油が20.2万㎘と前月比19.0%の2桁増で、前年同月比3.8%増となった。

【4月の石油出荷】

4月の石油製品の出荷をみると、燃料油計で1,267.6万㎘と前月比14.1%の2桁減で、前年同月比も3.8%減となった。

油種別では、重油が218.1万㎘と前月比18.0%の2桁減だが、前年同月比6.2%増。ガソリンが367.3万㎘と前月比8.5%減だが、前年同月比9.1%増。軽油が274.1万㎘と前月比11.5%、前年同月比10.1%のともに2桁減。ナフサが287.4万㎘と前月比8.7%で、前年同月比8.0%のともに減。ジェット燃料油が54.8万㎘と前月比11.0%2桁減だが、前年同月比17.8%の2桁増。液化石油ガスが38.2万トンと前月比2.8%減だが、前年同月比5.2%増。アスファルトが17.1万トンと前月比19.1%の2桁減だが、前年同月比32.4%の大幅増。潤滑油が17.0万㎘と前月比16.1%の2桁減だが、前年同月比1.0%の増となった。

【4月のコークス・石灰石】

4月のコークスの生産は、253.0万トンと前月比3.2%減だが、前年同月比1.6%増。出荷は65.2万トンと前月比9.5%減だが、前年同月比16.5%の2桁増となった。

4月の石灰石の生産は、1,062.9万トンと前月比9.5%減だが、前年同月比1.0%増。出荷は893.0万トンと前月比5.1%減だが、前年同月比4.2%増となった。

※添付資料

鉄鋼統計速報 令和3年4月 Excel

資源エネルギー統計速報 令和3年4月 Excel

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