No.88:暦年粗鋼生産1億1,874万トン、前年比1.2%減 12月は前月比15.1%減、前年同月比27.9%減 10~12月は前年同期比14.5%減 日本鉄鋼連盟が鉄鋼生産速報2008年12月・2008暦年発表

平成21年1月22日(木)Vol.88

暦年粗鋼生産1億1874万トン、前年比1.2%減

12月は前月比15.1%減、前年同月比27.9%減

10~12月は前年同期比14.5%減

日本鉄鋼連盟が鉄鋼生産速報2008年12月・2008暦年発表

 
日本鉄鋼連盟は1月21日、2008年12月の鉄鋼生産概況速報を発表した。それによると12月の粗鋼生産量は748.3万トンで前月比15.1%減、前年同月比27.9%減となり、2008年1~12月の暦年では1億1,873.8万トンで前年比1.2%減となった。経済産業省は先に、「製造業を中心とした大幅な需要の減少と積み上がってきている鋼材在庫の調整」を背景に、1~3月期粗鋼生産を4半期ベースでみて過去最大となる前年比31.6%減の2,110万トンになるとの見通しを発表しており、鉄鋼市況の冷え込みはさらに厳しくなりそうだ。ちなみに、2,110万トンは、1970年1~3月期の1,828万トン以来39年ぶりの低水準。

鉄連の発表した概況は、次の通り。

(1) 2008年概況

2008暦年の銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産はいずれも前年を下回った。

銑鉄生産は8,617.1万トンと、前年の8,677.1万トンを60.0万トン、0.7%下回り、7年振りの減少となった。

粗鋼生産は1億1,873.8万トンと、2007年の1億2,020.3万トンを146.5万トン、1.2%下回り、3年振りの減少となったが、2007年、1973年の1億1,932.2万トンに次ぐ史上3位であった。

炉別生産では、転炉鋼が8,923.8万トン(前年比微減)、電炉鋼が2,949.9万トン(同4.7%減)となり、電炉鋼比率は前年比1.0ポイント低下の24.8%となった。

鋼種別では普通鋼が9,256.4万トン(前年比1.6%減)、特殊鋼が2,617.3万トン(同0.2%増)となり、特殊鋼生産は7年連続で過去最高記録を更新した。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は1億608.7万トンと2007年の1億820.3万トンを211.6万トン、2.0%下回ったが、史上2位であった。このうち、特殊鋼熱間圧延鋼材は7年連続で過去最高を更新した。品種別にみると、広幅帯鋼と亜鉛めっき鋼板は史上2位であった。

(2)12月及び10~12月概況

2008年12月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも、前月比、前年同月比とも減少した。

12月の銑鉄生産は611.6万トンと、前月比42.6万トン、6.5%減、前年同月比17.7%減となり、前年同月比では3カ月連続で減少した。また10~12月では前年同期比9.6%減の1,994.8万トンとなった。なお、12月の高炉稼働基数は前月と同様34基中28基であった。

12月の粗鋼生産は748.3万トンと、前月比133.3万トン、15.1%減となり、前年同月比では27.9%減と3カ月連続の減少となり、1999年4月の740.7万トン以来の低水準であった。前年同月比の減少率は、記録の残っている1949年1月以降、最大であった。? 10~12月では前年同期比14.5%減の2,639.4万トンとなった。?12月の炉別生産をみると、転炉鋼は590.9万トンと前月比11.4%減(前年同月比23.8%減)、電炉鋼は157.3万トンと同26.7%減(同40.0%減)となった。前年同月比では転炉鋼は3カ月連続の減少、電炉鋼は4カ月連続の減少となった。? 12月の鋼種別生産では、普通鋼は593.8万トンと前月比13.4%減(前年同月比27.9%減)、特殊鋼は154.4万トンと同21.0%減(同28.0%減)となり、前年同月比では普通鋼が3カ月連続の減少、特殊鋼が2カ月連続の減少となった。

12月の熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は628.6万トンと前月比148.5万トン、19.1%減(前年同月比31.1%減)となり、前年同月比では3カ月連続の減少となり、1972年4月の625.7万トン以来の低水準であった。?  10~12月では前年同期比16.0%減の2,305.9万トンであった。

普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は499.7万トンと前月比114.9万トン、18.7%減(前年同月比31.7%減)となり、前年同月比で3カ月連続の減少となった。?

10~12月では1,825.4万トン(前年同期比17.0%減)となった。?12月の生産品種別では、条鋼類が129.9万トン、前月比16.6%減(前年同月比36.0%減)で、前年同月比では6カ月連続の減少となった。一方、鋼板類は362.3万トン、前月比19.8%減 (前年同月比30.8 %減)で、前年同月比では3カ月連続の減少となった。

12月の主要品種の生産内訳をみると、鋼板類では最大のウエイトを占める広幅帯鋼が246.5万トン(前月比25.0%減、前年同月比39.4%減)と前年同月比で3カ月連続の減少となった。厚板は110.3万トン(同4.6%減、同2.3%増)と同3カ月連続の増加となった。一方、条鋼類では小形棒鋼が59.0万トン(同17.0%減、同35.1%減)が前年同月比で16カ月連続の減少となった。また、H形鋼は23.2万トン(同21.6%減、同42.5%減)と同4カ月連続の減少、大形形鋼は9.7万トン(同11.7%減、同24.2%減)と同3カ月連続の減少、中小形形鋼は6.2万トン(同32.4%減、同52.4%減)と同3カ月連続の減少となり、主要品種で減少傾向が続いている。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は、128.9万トンと前月に比べ33.6万トン、20.7%減(前年同月比28.5%減)と、前年同月比では2カ月連続の減少となった。また10~12月では480.5万トン(前年同期比12.1%減)であった。

全国鉄鋼生産高 2008年12月・2008年暦年 Excel

全国鋼材生産高 2008年12月・2008年暦年 Excel

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