令和元年度事業計画

 我が国を取り巻く経済環境は、英国のEU離脱問題に伴う欧州経済の陰りや米中の貿易摩擦等による海外経済の減速、加えて10月には消費税10%への増税が控えており、国内の政治動向に加えて混迷が深まっている。
しかしながら一方では、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた都心部再開発など公共工事等の活発化、労働力不足を背景とした雇用環境の改善等により、景気は引き続き緩やかな回復傾向となることが期待されている処である。

 斯様な中、内航海運業界にあって海上輸送量は、昨年度において天候不順による一時的な輸送の停滞があったものの、貨物船にあってはほぼ前年度の輸送量を維持しているが、油送船の場合は暖冬傾向による電力需要の減少から火力発電所向け黒油の大幅な減少、灯油を中心とする白油も同じ傾向を示し、苦しい状態が続いている。

 このような状況において、安全且つ安定輸送を担うべき内航船舶は、全船舶の71%を船齢14年を超える老齢船が占めており、近代設備を備えた船舶への代替建造が一刻も早く求められている。これを促進するためには適正な運賃・用船料の改善が急務であり、船員の労働力確保を見据えた政府主導による働き方改革を一層推進するとともに適正な運賃・用船料の収受に向け、業界一丸となって取り組む必要がある。

 加えて、2020年からのSOx規制に対応するため、海事関連業界は燃料油供給元である石油生産業界、並びに関係省庁との連携を強く深め、三位一体となり環境保全に努めていかなければならない。

 更に、暫定措置事業の順調な借入金返済により収支相償う時期が一層早まる可能性が考えられ、同事業終了を見据えた中央組織の在り方、組合員への魅力ある事業等の創出について、真剣且つ早急 に議論を深めていくべき重要な時機である。

 また、従前から叫ばれてきた船員の高年齢化による船員不足問題はいよいよ「待った無し」の深刻さを増して来ており、若年船員の確保・育成問題は業界最大の緊急課題であり、「船はあっても動かす人が居ない」とならぬよう、船員が魅力ある職業であることの広報に努め、特に、海技教育機構との連携を深めることは勿論のこと、水産高校、工業高校、退職自衛官、一般社会人等、多岐に亘り人材発掘に全精力を傾注しなければならない。
 同時に、六級海技士(甲・機)の免状取得を礎に、船員確保と船員の資質向上の教育に向けて取り組んでいる(一社)海洋共育センターの活動を支援する取組も更に重要となっている。

 加えて、激甚災害地への緊急物資輸送で広く国民に印象づけている内航海運の重要性、カボタージュ制度堅持に向けた対応等、広報活動の充実が今後益々重要になっている。

 以上の如く重要課題が山積する中、当連合会は会員各位及び総連合会と連携し、下記事項について全総力を挙げて達成を期し、組合員の社会的地位の向上に資することとする。

 

○運賃並びに用船料の修復と適正化推進

○若年船員の安定的な確保・育成と雇用促進

○暫定措置事業終了を見据えた組合の組織並びに活動のあり方検討

○内航海運についての海事広報推進・充実

○カボタージュ制度の堅持・研究

○組合員等への情報伝達の推進及び業界発展に向けた諸施策の実施

○激甚災害地の復興に向けた支援活動推進

 

以上