年頭のご挨拶

全国海運組合連合会
会長 藤井 肇



 皆さん、明けましておめでとうございます。年頭に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
 
 振り返りますと、昨年は色々な出来事がございました。

 トランプ大統領が就任し、世界の政治・経済がどうなるのかと言った不安、国内では大手企業の粉飾決算及び製品の偽装改ざんが日本製品の信用性を損なってしまうのか、度重なる政治家の不祥事に加え、森友・加計学園問題による国会審議の停滞、北朝鮮の挑発的なミサイル発射による戦争勃発の危機等、数え上げれば切りがありませんが、一方では日本人横綱稀勢の里の誕生、秋篠宮家眞子様のご婚約、中学生将棋棋士藤井四段の連勝記録更新、沖ノ島の世界遺産登録等嬉しい出来事も数多くありました。

 内航海運に目を向けますと、昨年、業界が要望した10年後の内航海運ビジョン作成を目指した「内航未来創造プラン」が公表され、現在、官民一体となって具体的な方策について議論を重ねている処でございます。

 又、暫定措置事業は平成35年度終息に向けて順調に推移しており、総連合会を始め5組合の中でも暫定措置事業修了後の業界のあり方、組合組織のあり方等について真剣に議論が行われております。
 
 平成10年4月の暫定措置事業発足以来、この20年間で当連合会では運送業者32.8%減、利用運送業者60.6%減、貸渡業者は58.2%減、全体では事業者数が53.7%減少致しました。

 昭和42年の船腹調整事業発足時から比較すれば実に1/10になっております。
その間、造船技術の革新や省エネ技術の進化により、船型が大型化される一方乗り組み船員は省力化されながらも、船舶の運航は格段に安全・安定輸送が定着して参りました。
これも関係各位の理解と協力、そして海運事業者の弛まぬ努力の賜と感ずる処でございます。

 しかしながら、少子高齢化による人手不足は陸上のみならず、海上に於いても船員不足問題は「船はあっても動かせない」という事態が遠からずやって来るのではないかと危惧する処であり、労働環境の改善・船舶の近代化を押し進めると共に、若年者に対する海の仕事の魅力を、一層PRして行く必要があります。

 その為には、何と言っても荷主各位の強力なご理解の下に、適正な運賃・用船料が収受できるような業界にしていかなければなりません。
斯様な中、もう時期迎えるであろう暫定措置事業終了後を見据え、半世紀に亘った船腹調整事業の功罪を含めた考察を基に、海運組合の行うべき事業を含めた今後のあるべき姿を模索していかなければならないと考えている処でございます。
 特に当連合会におきましては、北は北海道から南は沖縄まで59の海運組合(支部・連合会)を擁しており、それぞれ地域の特性も千差万別であり、組合の運営も又千差万別で、それぞれが独立採算で運営されており、裕福な組合もあれば困窮している組合もございます。その意味でもそれぞれの地域の特性を鑑みながら、各会員の意見を尊重し、当連合会としての考え方を取り纏めたいと考えております。

 
 1昨年は申年、昨年は酉年、そして今年は戌年と内航海運を取り巻く諸問題の鬼退治に向けて仲間が揃いました。
戌は「守りの年」と言われているそうですが、「勤勉」で「努力」という意味もあるそうです。他力本願ではなく、ご利益を自ら手繰り寄せ「自力本願」でこの難局を乗り切って参りましょう

 
 皆様方には、昨年同様倍旧のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げますと共に、2018年(平成30年)が皆様にとりまして、輝かしい年となりますことを祈念し、年頭のご挨拶と致します。


 平成30年1月1日