年頭のご挨拶

全国海運組合連合会
会長 藤井 肇



 

皆さん、新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、一言ご挨拶申し上げます。

振り返りますと、昨年は色々な出来事がございました。

4月の島根県西部地震、6月の大阪北部地震、9月の北海道胆振東部地震、その間、平成30年7月豪雨では西日本を始め広範囲に亘って集中豪雨に見舞われ、地震等で被災された方々の復興に向けた懸命な生き様を見せつけられながらも自然は容赦せず、更に、9月にかけて台風が3つも上陸し、中でも台風12号は迷走し、日本列島を逆縦断して更なる大きな被害をもたらしました。

今でも、仮設住宅等に住まわれている方々が全国各地に大勢いらっしゃることに心痛め、一日も早く平常な生活に戻れるよう、祈念して止みません。

アメリカのトランプ政権が自国主義の保護政策に邁進し、世界各国の経済が翻弄されて迷走しているのも昨年からの特徴ではないでしょうか。

我が国では、少子高齢化による労働力不足が叫ばれ、昨年後半から急速に外国人労働者の受け入れに関する「出入国管理法改正案」が臨時国会の最重要議案として審議され、成立致しました。

当連合会の中でも数年前から、ある業態はある職種に限って外国人船員を受け入れることはできないか、と言ったご意見もありますが、内部委員会で検討した処、日本人船員の育成が最優先であるとの認識で一致し、外国人船員の導入は見送られております。

今回の「改正出入国管理法」では、内航海運は対象外となっておりますが、船員不足問題は499G/T以下の小型船を数多く抱える我が全海運では切迫している喫緊の課題であり、海洋共育センター等の新6級海技士養成制度による船員輩出は貴重且つ重要な供給源であり、更に拡充を図っていく必要があると考えております。

更には、2020年から待ったなしで始まるSOx規制への対応も事業者自身で油種の選択、設備の改善等対応が求められて参ります。石油業界殿にはSOx規制に対応した油種の安定供給を維持して頂き、また、荷主業界からの適正な運賃収受が行われるとともに、内航業界内部における適正な用船料の収受に加え、安全・安定輸送の秩序維持に内航海運事業者自身が常に心がけていかなければなりません。

また、ご高承の通り、暫定措置事業は、事業者各位の順調な建造計画遂行により、建造等納付金収入が想像以上の伸びを示し、借入金返済も順調に行われ、暫定措置事業の終了時期も前倒し傾向となっております。

斯様な中、私たちは暫定措置事業終了後を見据え、約半世紀に亘った船腹調整事業(カルテル)の功罪を真剣に考察し、その反省等を基に海運組合の行うべき事業を含めた今後のあるべき姿を模索していかなければならないと考えている処でございます。

今、正に自由競争の世界に突入する時が目の前に迫って参りました。

私ども海運組合として、その時、またそれ以降何を為すべきか、何が出来るのかが問われております。組合員各位の経済的地位の向上・発展が海運組合の第一義的な課題であると同時に、日本の基幹産業のみならず、国民の生活必需物資の需要に応えるべく物流を支えて行く為に秩序ある内航海運を構築していく必要があります。その為には国交省殿のご協力の下、一定の自主規制的なルール作りも必要と考えております。

私は、暫定措置事業終了後に新しく作られるであろう中央組織の下で、各地区の海運組合殿を始め全海運を存続していきたいと考えており、今まで以上の結束を図っていく必要があると、常に自分自身に言い聞かせております。

何れに致しましても、これからの内航海運を支えていくのは次世代の青年経営者の方々であり、若い方々のご意見を尊重・吸収しながらより良い方向性を見出していきたいと考えている処であり、皆様のご協力無くして、内航海運業界並びに海運組合の発展はあり得ません。

今後とも絶大なるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶と致します。


 平成31年1月1日