新年度を迎えて

会長 小比加 恒久obika12

「東日本大震災」から2年余りが経ちました。ガレキ等の仮置き場への搬入は90%が済み、15都道府県が災害廃棄物の受け入れを表明し、その処理もようやく50%を超えました。東京電力福島原子力発電所の事故の影響は大変気になりますが、今後は本格的な復興の加速が期待されます。

平成24年度は、12月に自民・公明連立の第2次安倍内閣が誕生し、「アベノミクス」と言われる大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする「3本の矢」政策が経済界のフォローもあり、順調に政権運営が進んでいます。

アメリカ経済の復調という明るい兆しも見えますが、キプロスに起因するEU経済の見通し、北朝鮮の強硬姿勢から来る懸念と不安材料はあります。またここに来ての円安の進行は燃料油の高騰につながり、ある面で内航業界に重くのしかかる要因となってきます。

内航業界においては、「内航海運暫定措置事業の今後について」の国土交通省と総連合会との合意案をベースにした国土交通省と財務省との協議が行われておりますが、思うような進展が見られず、今後、国土交通省と総連合会との間で合意案の見直しを進めていくこととなり、平成28年度以降の建造納付金単価等についての結論は、まだ時間を要することになりそうです。

過剰船腹の解消問題、老朽船問題、船員の高齢化問題は引き続き対策の必要があります。

さらに、若年船員の確保・育成と代替建造の促進は喫緊の課題でありますが、そのためには用船料の修復が鍵となってきます。全海運としては、小型船に合致した「海洋共育センター」構想を全面的に支援し、総連合会を始めとして幅広く協力を呼びかけていきたいと思っております。

また、時間はかかりますが、「諸法制見直し検討委員会」を立ち上げ、事業者のコスト負担軽減に向けて努力していきたいと思っております。

内航海運暫定措置事業の28年度以降の建造納付金単価問題を始めとして問題山積の中、今年度も皆様方には重ねてご協力のほどお願い致します。

2013年(平成25年)4月3日掲載